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ノン+フィクション

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作家
古川日出男
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2010-09-25
ISBN
9784048741040
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ノン+フィクション / 感想・レビュー

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さっとる◎

エッセイとして依頼されたのかこれ(笑)。古川日出男の短編&旅行記。一番衝撃だったのは小説「サウンド・トラック」を書くための取材メモが全く別のフィクションとして成立していること。見たもの、聞いたもの、自分の足で確かめたもの、その全てを吸収する仕方がすでに古川日出男で、だから出てくるものもそうなるのか。経度を移動する、緯度を移動する、その場所に孕まれた時間を感じる。わざわざ遠くに行かなくとも、すぐそこに知らない景色は広がっている。お茶を飲むだけで旅ができる。聞こえる全てを音楽に変えることができる。私にだって。

2017/09/03

とら

そう。ここに収録されている「サウンドトラック・スケッチ」を読む為に先にそれを読んだのだが、件のそれはただの旅行記であった。でもこの本を読んだことには大きな意味があった。”古川日出男”という人物自体に興味を持つ事が出来たからだ。ZAZEN BOYSを聞いていたり。詩とかも知っているしダンスも知っている。そして何より色んな場所に旅をしている。幅が広すぎる。このそれぞれの短編の分岐の先には色んな古川日出男がいる。もちろんそれぞれの著作の先にも。この人の事をもっと知るためにも、色んな作品を読んでいきたいと思った。

2013/12/08

ぶうたん

「砂の王」から始まって昔読んだ何冊かの初期作品は楽しめていたのだが、しばらくご無沙汰して新作を読んだら先鋭化していて自分には理解しにくい作風になってしまっていた。もちろん、こちらの問題ではあるのだが、積極的に読む対象からは外れてきてしまったのは事実であり、エッセイ集の依頼から始まって、短編なども盛り込んで1冊にまとめた本書についても、やはりとっつきにくかった。品川を書いたエッセイとか、それなりに楽しめたものもあったので、まあ良かったのだけど。エッジが立ちすぎているので著者のファン向けかなあ。

2020/07/15

ハルト

あとがきにあるように「作品」(ワーク)としか言うことのできない作品集。やはり古川さんの言語感覚は好きだと思った。とても身体的感覚を味わえて。

2010/10/31

gu

文学(に限らず表現)と旅の本。読み返して印象が変わった。初読時は自意識の強さに辟易したが、三人称の「古川日出男」「日出男」を、二人称の「お前」を、この文章を語る声として、≠古川日出男として考えれば、その自意識は小説そのものであって作者ではない。紀行文、なのだけれど、妄想とか幻視とか物語とかいうものによって、入れ物より中身の方が大きくなっている感じ。今は『ボディ・アンド・ソウル』より好きかもしれない。

2016/09/04

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