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カーライルの家

カーライルの家

カーライルの家

作家
安岡章太郎
出版社
講談社
発売日
2006-12-16
ISBN
9784062134194
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カーライルの家 / 感想・レビュー

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YO)))

巻頭『危うい記憶』は小林秀雄のことを、一見思い出す風に、その実小説として存分に企んで書いたもの。 終盤のソ連旅行の件りで、小林がホテルを抜け出して、亡くなる前の正宗白鳥が「ネヴァ河はいいぞ」と言っていたそのネヴァ河を見に行く場面が特に良い。

2021/09/12

sanukinoasayan

二篇の中短編からなる本作、昭和初期以降を舞台に小林秀雄、中原中也、志賀直哉等々日本文学の錚々たる人物のその頃の経緯と自らの従軍体験をなんとも地味深い名文にて描いた作品。小林の同棲相手からの逃亡劇、志賀の作品「山科の記憶」に描かれた志賀の浮気の顛末、現代で同じことが起これば、文春砲なるものが炸裂するところでしょうが、著名文学者の下世話なことを含めた生活の様子及び満州での従軍体験を温もりを感じさせる名文で描いており、呆れるやら感心するやらなかなかに貴重な読書体験を得られる一冊。

2023/08/29

ki_se_ki

「危うい記憶」。安岡章太郎の描く小林秀雄。中原中也から奪った長谷川泰子との同棲生活から逃亡し、志賀直哉邸に居候。方向音痴。放浪癖。などといった、新たな小林秀雄像。そして、志賀直哉邸や、かつて小林とともに旅したロシア・ネヴァ河に、再び訪れる安岡。こうした人物たちは、初期安岡作品の主人公たちと似て非なる姿をしている。どこまでも自由でとりとめなく、それでいて滋味溢れる円熟の姿だ。

2016/02/21

Yoshie Kouda

安岡章太郎さんの本って、どんな本なのかと思い読んでみました。あまり良さが分からなかったです。

2015/03/29

メルセ・ひすい

8-20 赤104 語りの芸人が明治を追ッテ・・・老域でも冴え冴えと記憶の森へ・・と・・ そこには先人が 「危うい記憶」 天才? 小林秀雄・彼女から逃れ・放浪と「失踪」生々しい愛憎・中原中也様の受難?・・志賀直哉・文豪が人ってヤツハ・・・ゴシップ?津々 自由に時空を超えて生き生きとする言葉、熟成を重ねた文学と人生の最も深い味わいの待望の書。多岐にわたる日本文化への興味と人生の真贋を見極める作者が描く、滋味豊かな文章が冴える。

2007/02/10

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