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悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)

悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)

悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)

作家
中村文則
出版社
講談社
発売日
2010-06-30
ISBN
9784062163705
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悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

『邪』の世界を軸に一組の男女を描く。 僕のひどく感情のない独白が物語に緊迫感を 与える。香織への想いから始まった「邪」への 訣別と父の殺害..だがすべてが父の掌で 踊らされているという感覚は読書のスピードを 加速させる。感じる鬱積した負の感情は 何なのだろうか..沈殿していく破局への 予感..そして根底に流れる香織への暗い情熱.. だが終わりはある意味香織と僕の愛情物語、そんな印象が強い物語だった。

2016/02/28

kariya

少年は邪の家系に生まれた。この世に破壊と絶望をもたらすようにと。だが少年を悪として作り上げる目的として「使われる」筈の少女と出会った時に、生じたのは悪ではない何かだった。たとえ少女を守る為に、少年が外せない仮面と共に手を汚し続けたとしても。長じた主人公の、そしてかつての少女の回りで起こる不審事と、纏わりつくテログループと別の邪の存在の影。人は生まれついたようにしか、抗えぬ力に流されるようにしか、転がり落ちた場所でしか、生きられないのだろうか。この物語は一つの答えだ。儚く消え去る、けれど強く目を射す一瞬の。

2010/11/06

Tsuyoshi

「幸福とは閉鎖である」邪の家系に生まれ、邪として育てられた久喜が好きになった久喜家の養女・香織を守るために父親を殺め少女に危機が訪れる度に殺人を重ねていく話。歪んではいるもののある意味純愛小説ともいえる展開にはそれなりに引き込まれたが、物語以上に幸福や殺人に対する作者の思想性が色濃く反映されており、改めて考えさせられる事になった。

2018/01/17

キク

面白かった。父親から「この世界には価値などないと思う人間を増やす『邪』」として育てられた少年と、その少年に地獄を経験させるために、父親に養子にされた少女。少年は、別人に整形して生まれ変わらなければ、もう一度少女に会うことは出来なかった。歪つで切ないボーイ・ミーツ・ガールだ。「海辺のカフカ」もそうだけど、父親に呪いをかけられた少年は、自分自身を鍛えて父親を殺すことで呪いを超えて、大人になるしかない。今、父親をやってて思う。誰かに殺される気はないけど、息子に殺され乗り越えていかれるなら、それはそれでいいや。

2023/05/19

ケイ

100周年書き下ろしということで、期待して読み始めました。ただ、内容は、SFアニメ(きちんと見たことはありませんが)のストーリーのように感じ、つまらなかった。「邪」を生み出すというテーマに負けているような。中村さん、作風が変わったんだろうか。

2014/02/18

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