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イキルキス

イキルキス

イキルキス

作家
舞城王太郎
出版社
講談社
発売日
2010-08-17
ISBN
9784062163767
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イキルキス / 感想・レビュー

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なゆ

舞城さん2冊目。まだこの勢いに不慣れだけれど、言葉のリズムはやっば好きかも。『イキルキス』って、そういうことね。いやもう、キスの意味なんてどうでもよくなってしまったよ。同じクラスの女子だけが6人も次々と突然死、でもそれも今となっては「そうだっけ?」な出来事。男子中学生に渦巻く欲望と、降ってわいたチャンスにイケイケドンドン!この話が一番読みやすかった。『鼻クソご飯』はちょっとねー。子どもが痛ぶられるのは嫌いだから仕方ない。『パッキャラ魔道』はソコからかー。なんかこの後ずっと歌詞を間違って歌いそう(^_^;)

2019/03/15

とら

「イキルキス」「鼻クソご飯」「バッキャラ魔道」―と言う題名に何の統一性も無い三篇を集めた短編集。でも内容的にはどこか共通するものがあって、それは多分生きるとか死ぬとかについてのことで、文体で重いとは感じさせないのだけど実際は重いのだ。この三篇を読んで思ったのが舞城の作品はパターンがあると言うことだ。まず最初の数頁は怒涛の改行無しの丸々文字→段々文字数減ってくる(ここで目まぐるしく展開の連続)→まとめ(文字数少なく改行も多い)と言う流れが基本。こう適当に書き連ねている様に見えて、起承転結はちゃんとあるのだ。

2014/03/06

PSV

いつものMAIJO節。表題作はなんかイマイチ。「鼻クソご飯」の勢いは凄い。表現も凄い。内容も凄い。でも、素直に評価できないツンデレなオレガイル。「パッキャラ魔導」、これはたぶんMAIJOにしか書けない文章。他の作家が書いたら、たぶん批判しか喰らわないであろう雰囲気。文圧、といいましょうか、言葉の厚みが凄くて、展開の仕方が滅茶苦茶だけど芯が通ってて、ラストにおける“愛”が神々しすぎて、もう最高。年代的には初期から中期にかけてのMAIJOだけど、物足りなさも含めて、変遷の記録だと思う。  ★★★★☆

2012/07/25

ぐうぐう

子供はときに、無邪気であるがゆえに真実を突く。バイオレンスとセックスと猟奇に彩られた舞城王太郎の小説はいつも、そんな子供の無邪気な告白のようだ。大人が蓋をし、封印した感情が、あからさまな言葉によって暴かれていく。しかしそれは、暴力と性が邪悪なものを導いていくのとは真逆の道程を、読者に照らし出す。舞城の小説は、暴力と性を使い、倫理と道徳を疑いながら、人として真っ当な場所へ、読者を連れて行く。それこそが舞城のマジックであり、俺達が舞城の小説を読む唯一の目的かもしれない。

2013/05/28

KASAO

全体的にエグイ短編集。知識や経験を求めすぎることへ「節度がない」と言った「イキルキス」。幼い頃、誰でも無意識に鼻くそを食べたように、人間は不潔でも無意識的に何かを好きになる。自分は大人だから、何を好きなるかは自分で選ぶとした「鼻くそごはん」。人生には苦しくて、悲しくて、泣きたくなることもあるけど、あの歌みたいにパオパオパパパンと一生懸命生きていかなくてはならないとした「パッキャラ魔道」。丁度同じようなことを考えてたので、舞城にはその答えを提示されたような気がします。今のところ一番心に響いた舞城小説です。

2012/10/23

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