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ガーディアン

ガーディアン

ガーディアン

作家
薬丸岳
出版社
講談社
発売日
2017-02-22
ISBN
9784062204781
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「ガーディアン」のおすすめレビュー

平和に見える中学校に隠された秘密…生徒に必要なのは「かりそめの平和」か「リアルな困難」か? 薬丸岳著『ガーディアン』

『ガーディアン』(薬丸 岳/講談社) 学校が集団生活である以上、生徒間のトラブルはつきものだ。いじめや暴力を完璧に防ぐ方法はありえないだろう。もちろん、多くの教師が対策を練っているのは間違いないが、全ての生徒の悩みを知ることなどできない。そして、被害者となった生徒たちの絶望を煽ってしまう。

『ガーディアン』(薬丸 岳/講談社)は教師たちに見切りをつけた生徒たちが「ガーディアン」なる自警団を結成し、学校に平和をもたらそうとする物語だ。荒唐無稽なアイディアのようだが、読み進めるうちに、学校教育では及ばない問題の解決策として、ガーディアンは理にかなっているように思えてくる。たとえ、それが大人の読者に複雑な余韻を残すことになろうとも。

英語教師・秋葉吾郎が新しく赴任してきた中学校は、一見、穏やかな空気が流れていた。校則は緩く、生徒たちの自主性に委ねられた学校運営がなされている。何より、いじめや不良が見当たらない。秋葉の赴任前には素行の悪い生徒たちが数多くの問題を引き起こしていたらしいが、現在では嘘のように校内は平和だった。

しかし、その陰には生徒たちによる自…

2017/7/8

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ガーディアン / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

W-G

魅力的な題材を扱っており、かなり期待して読み始めたが、ウーン…。読者の期待するところは、過激な制裁シーンであったり、ガーディアンが統制不能になって暴走していく様のはずだが、そういった"毒"が意外なほど無い。主人公の秋葉を含め、教師陣が全う過ぎるのもちょっとどうかな?と感じる。こういうストーリーの場合、もうちょっと無気力だったり外道な教師が何人か出てきてくれないと盛り上がらない。と思う私は人間性に問題有りか。教師サイド・生徒サイド・保護者サイド、それぞれがそれぞれ少しずつ書き込み不足で没入出来なかった感じ。

2017/03/18

starbro

薬丸岳は、新作中心に読んでいる作家です。図書館の予約に少し出遅れて、ようやく読めました。月並みな内容ですが、著者の筆力で一気読みしました。現実は、もっと陰惨で悪質なイジメが横行していると思いますが、爽やかな青春ミステリな仕上りです。学校も大人の世界も少なからずイジメがあると思いますが、その前提で対処しないと何も解決しないのではないでしょうか?現実の世界こそガーディアンが必要なのかも知れません。

2017/05/26

こうじ

✨✨✨✨4/5 面白かった(*^_^*)久々に読了!やっぱり本は面白い!薬丸さん、作品!今回は学園物。生徒と先生の気持ちってなかなかかみあわないねぇ〜^_^;年頃の年齢だし、難しい年頃だよね。自分も尾崎豊を聞いて先生なんかと思っていたなぁ〜^_^;いい作品でした(*^_^*)自分の中学時代を思いながら読んでたよ。^_^

2017/02/24

zero1

その平和は本物じゃない。断言したい。己の弱さを認める教師しか生徒を救えない。「自分はできている」という安っぽいプライドを持つ教師ほど使えない。また教師は生徒のために存在しているが神様になれない。中学で生徒の自警団を描く異色作。転任のため事情を知らない秋葉はその存在を知るが反撃に遭う。重松や辻村がこのテーマを描くとしたら全く別の作品になったはず。登場する生徒が多く読者は読み進めるのに苦労する。少年犯罪を意欲的に描いてきた薬丸だが、教師たちの対応など説得力が不足。何が正しい?教師はどうすればよかった?

2019/07/30

風眠

一緒に笑う、一緒に泣く、苦しい時に側にいて、互いを認め合う。そんなのは綺麗事なのかもしれない。学校という組織は、生徒のためという大義名分に守られた独特な世界だと思う。正しいとか、正しくないとか、そういう尺度では振り分けられない世界。生徒の気持ちに寄り添う、友達のため、いかにも正しい言い分だけれど、つまりは事を公にしない、という隠蔽だ。ラスト4行、すべてがひっくり返されるこの4行を書くために、作者は長い長い前置きを書いたのではないか。学校って何ですか?教育って何ですか?そんな問いかけを読者の心に残すために。

2017/10/24

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