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新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

作家
村上龍
出版社
講談社
発売日
2009-04-15
ISBN
9784062763479
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新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫) / 感想・レビュー

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absinthe

暴力的で退廃的で、自制の利かない衝動。主人公の意識は制御の利かなくなった暴走ロボットの操縦席に縛り付けられたような、どこか自分の事でないかのように冷静に見えるが、心は深く傷つきもする。自堕落でクスリもセックスもそこに転がっているような荒み方だが、自由のない独房よりも孤独で陰鬱な感じがする。人間の内面を書くと共に、安易な幸せに満足して進もうとしない日本の現在の隠喩では無いかとも考えた。

2021/04/12

ehirano1

「あちらの世界」と「こちらの世界」、いやいやこれは同じ村上でも春樹氏の方ですが、二世界感の狭間で揺れ動く、そしてもがき苦しむ当時の若者達をリアル且つ、驚くほど生々しく描写しているんだろうなぁと思いました。

2023/02/12

kaizen@名古屋de朝活読書会

芥川賞】村上龍の限りなく透明に近いブルーは、ある時代の文化を表すという意味で、わかりやすかった。新人類と言われた世代にとって、キーワードを羅列することに意味があって、それが詩でなくてもかまわないという感覚がある。村上龍と同時代の人に、田中康夫がいる。田中康夫のなんとなくクリスタルが出たときに、同時代なのに違う世界に住んでいる人だなと思った。次の世代の新人類には浅田彰がいる。用語が難解な浅田彰の方が内容がわかりやすいかも。

2010/09/01

てち

特にストーリーというストーリーはない。酒、セックス、麻薬の描写が非常に多く読むのがきつかった。しかし、なぜだか最後まで読み進めることができた。それは、退廃的ではあるが妙にリアリティーがあるからだ。本作は、常に客観的に物事がかかれている。それはリュウが、まるで赤ちゃんのように、この世の中をありのまま見ているからだ。客観的に物語が進んでいくのだが、最終場面では主人公の感情の発露が見受けられる。 リュウを支配している黒い鳥。彼はそれに気づいた。気づいたのであれば、その鳥を生かすも殺すも本人次第である。

2021/03/03

HIRO1970

★☆★何の予備知識も持たずに読んでみました。76年の作品ですが、古さはさほど感じませんでした。ちょっと前の若者のドラッグ漬けの生活は読んでいて爽快さは無く、ラリってる若者特有ともいえる漠然とした不安が全体を包んでいます。当時の著者の音楽や酒やドラッグの趣味と思われる部分を垣間見ることは出来ます。なかには読んでいて気分が悪くなる人もいると思いますのでエログロ系が苦手な人はやめておいた方が無難かもしれません。系統的に好きな方は是非どうぞ・・・。 

2013/07/31

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