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薔薇を拒む (講談社文庫)

薔薇を拒む (講談社文庫)

薔薇を拒む (講談社文庫)

作家
近藤史恵
出版社
講談社
発売日
2014-05-15
ISBN
9784062778343
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薔薇を拒む (講談社文庫) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★★☆21105【薔薇を拒む (近藤 史恵さん)】近藤史恵さんの作品はジャンル多彩でどれも面白いですが、その中でもミステリー系の作品は特に群を抜いているのでは?(当方の勝手な意見〜)『凍える島』を初読みして、それ一発で近藤さんの虜になってしまいましたし。さて、本作品、楽しく読ませて頂きました〜。湖に浮かんだ船に死体が!犯人は誰?登場人物少なめで犯人も絞られそうなものですが、当方、最後まで予想つかず。で、まさかまさかの犯人に驚愕!そりゃ分かるわけねーよな〜。(それ、禁じ手じゃね?)ラストも『え"っ!』

2021/10/21

きりこ

守ってやらなければいけない者を守れなかったという苦いものを引き摺っている施設で育った孤独な少年が、山奥の洋館に住むことになる。そこでの穏やかな人々との静かな暮らしは実は偽りで満ちたものだった…。前半の青春恋物語風な話は、事件が起きてからダークな雰囲気に。復讐をたくらむものと秘密を抱えるものたち。企み事は現実味がないなあと思うもそれがミステリーなんだと納得させる。そんな偽りのままで本当に幸せといえるのだろうかと思わずにいられない最終章。

2014/07/24

おかむー

『サクリファイス』『タルト・タタン』ときてこの『薔薇を拒む』という引き出しの豊富さに関心させられましたよ。『よくできました』。人間の屈折した想いが根底にありつつもしつこいドロドロ感がない作風は“黒近藤”に分類してもよさげな今作でも共通。隠された不穏な状況が次第に見えてくる閉ざされた洋館での暮らしのなか、主人公・博人の押し殺した感情と欲望が次第に博人を蝕むさまが、それでもある種淡々と描かれる文体はじわりと染み込む違和感が独特。反面、終盤の山場も淡々としているので起伏はちょっと弱め。でもラストは唸らされますね

2015/04/09

NAO

和歌山の山奥の孤立した館に住む、いわくありげな美しい人妻と彼女とは血がつながってはいない美しい娘。その館で働くことになった、いわくありげなハンサムな身寄りのない若者二人。彼らが引き取られた理由とは? 和歌山の山奥の館は、現実から乖離した虚構の世界。なんとも言い難い複雑な心理が絡み合い、誰もが身動きが取れなくなっている。その館がなくなったあとも、彼らは、また別の現実離れした虚構の世界に住んでいるとしか思えなかった。

2020/10/13

りゅう☆

容姿端麗、身寄りなし訳あり過去を持つ僕。陸地なのに孤島のように世間から離れた屋敷で使用人として働くことに。そこには母と美しい娘小夜の他に男女4人の使用人がいる。年齢層は違うものの、同年代の男女が揃ってると何か起こる予感が…。そして殺人事件が起こる。犯人は容易に予想できたものの、その背景にある真実や裏切りにイヤミス感漂う。初めて手に入れた一人の空間と自由な時間を守りたいだけなのに。小夜に対する思いへの葛藤、苦悩や欲望がありありと描かれている。最後の驚きの現実には、素直に幸せを感じていいのか分からなくなった。

2015/09/27

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