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陽炎の門 (講談社文庫)

陽炎の門 (講談社文庫)

陽炎の門 (講談社文庫)

作家
葉室麟
出版社
講談社
発売日
2016-04-15
ISBN
9784062933612
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陽炎の門 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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優希

葉室作品にしては珍しく清々しくありませんでした。主人公が影のある人物だからでしょうか。過去の過ちから、後悔しない選択を重ねてきたのが魅力といえば魅力ですね。失敗から何かをやり遂げる力を得るのが凄いなと。

2022/08/28

のびすけ

執政の座に昇った桐谷主水に待ち受ける危機。主水を陥れるために罠を仕掛けた百足の正体とは?10年前の落書事件と20年前の後世河原騒動に隠された驚愕の真実。派閥抗争、男の友情、武士の矜持。男たちの争いと企みが渦巻く中で、主水の妻・由布の心根の美しさが印象的だった。ミステリ的な趣向もあって、なかなかの読み応えでした。

2023/01/07

タツ フカガワ

軽輩の身から執政の座へ就いた初めての会議で、桐谷主水は「出世のために友を陥れた」という10年前の風聞が蒸し返される。それをきっかけに窮地に追い込まれた主水は、いまなぜという思いで調べ始めると……。著者の武家ものには“藩内抗争”を背景にした作品が多いけれど、本書は謎解き仕立てを絡めた構成で、後半のよもやの展開が面白かった。

2019/07/04

カノコ

これは、面白いぞ。帯にあった「著者最高傑作」の文字は、強ち間違っていないかも知れない。若き日に、親友を切腹に追い詰めた男。その友の死は、何者かの奸計だったのか。これは、若き日の後悔や過ちを清算するための、男の追憶の物語だ。男は迷い、惑う。揺るがない心のまま生きていくような潔さは、この作品にはない。けれど、その中でも譲れないものがある、一本筋の通った男の姿はグッとくる。派閥争いあり、剣劇あり、そしてミステリ要素あり。文句無しに面白い。久し振りにページを繰る手が止まらない時代小説だった。

2016/08/17

shiozy

推理小説仕立てである。藩の執政に抜擢された桐谷主水。そこには不穏な嫉妬が蠢いている。どこにでもある派閥争いであるが、あわや陰謀に巻き込まれるかと思われたが、敢然と立ち向かう主水である。陰謀の真犯人は誰だ? 推測通りあの方であった。推理小説で犯人が推測できる、というのは「弱い」小説であるが、そのあとが素晴らしい。あの方に敢然と立ち向かう武士の矜持。葉室燐の真骨頂だ。

2016/04/26

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