KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

これはミステリではない

これはミステリではない

これはミステリではない

作家
竹本健治
出版社
講談社
発売日
2020-07-15
ISBN
9784065199763
amazonで購入する Kindle版を購入する

「これはミステリではない」のおすすめレビュー

「完読して絶句…」これまで書いてきたなかでも最大級に歪。ミステリ界の鬼才が贈る本作はミステリか否か?

『これはミステリではない』(竹本健治/講談社)

 これまで僕が書いてきたなかでも、最大級に歪。――そんな作者の言葉が裏表紙に記されている『これはミステリではない』(竹本健治/講談社)を完読し、絶句した。この、何とも言えない読後感はなんなのだろう。初めて味わう自分の感情に驚き、戸惑った。だから、世のミステリ好きにも、ぜひこの気持ちを味わってほしいと思ったのだ。

「犯人当て小説」の事件が現実のものに…

 物語は宝条大学のミステリクラブが行っている、とある合宿イベントでの出来事から始まる。その合宿では、ひとりの部員が犯人当て小説を書き、他の部員たちが犯人と推理した過程を解答して提出し、翌日に解決篇が読み上げられ、寄せられた解答への採点と作品への合評が行われるのが創設時からの習わしになっていた。

 そんな中、今回の出題者が絞殺され、犯人当ての小説が消えるという事件が発生。犯人はなぜ、殺人を犯したのだろうか…。5人の部員たちと共にそう考えていると、いきなり予想外の展開となり、物語の景色がガラっと変わる。ああ、なんだ。自分は騙されていたのか――…。

 実は、一連の事件…

2020/8/8

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

これはミステリではない / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

buchipanda3

汎虚学研究会シリーズ長編。これは変な「夢」なのか。キョガクの高校生4人組が参加したのは大学のミステリ同好会の推理行事「犯人あて」。作中作に対する推理合戦、現実と虚構のリンク、さらには唐突に意味深で生々しい夢(睡眠中の)が語られ、思考は錯綜していく。この物語の雰囲気はやはり好み。そして最後まで読み終えると思わず本の表紙をしげしげと眺めてしまった。さらに裏側を見て呆然から解き放たれ思わずニヤリと共に充足感が残った。作中作で感じた違和感やマサムネのミステリ論などが頭をよぎる。今作と共に前作も読むのがいいと思う。

2020/07/18

雪紫

夢か現か(まさか、最終解決も?)。アンチミステリなら、もっと「失楽」的なものを望んでしまう自分がいる・・・。自分で歪だというのは全力で同意するけど。

2021/03/11

かんらんしゃ🎡

★はんたーい!反対のはんたーい!反対の反対の反対!子供たちは果てしなく続ける。バカボンのパパも言うのだ。賛成の反対の反対なのだー★『これはミステリではない』ではない、そうではない。いやどっちだ。出だしは新本格派。でも読むにつれ不純なものが混じってくる。関係ない私的な来し方や、夢を挟んでの哲学。ミステリにとっては邪魔でしかない。単純な謎解きならオレの本を読むなと言われてるようだ。一つの事件より人間はもっとミステリアスだと。結局、よく判らず終いだけどバカボンのパパだって言っているのだ。「これでいいのだー」

2020/08/21

rosetta

★★✮☆☆確かにこれは、証拠を精査し論理的に推理し真相に至ると言う形のミステリーではないな。何を求められているのかさえ見失う。差し挟まれる夢の話もなぜこの小説の中に置かれているのか意味も必要も分からない

2020/10/13

ハスゴン

好みは分かれると思いますが、タイトルがどう言う意味かに惹かれて楽しめました。今年の収穫だと思う。余計な帯も付いていないのが逆に読もうと思うきっかけになりました。

2020/09/26

感想・レビューをもっと見る