愛されなくても別に (講談社文庫)
愛されなくても別に (講談社文庫) / 感想・レビュー
よっち
学費と家に月八万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす彼女が、傍若無人な同級生・江永雅と運命の出会いを果たす青春小説。自分は母親に愛されていると思っていた陽彩が、訳ありの江永雅と出会ったことでようやく気づいた衝撃の真実。それが当たり前だと思わされ、がんじがらめに囚われていた登場人物たちが抱えるしんどさはあまりに重く心揺さぶられましたが、だからこそその呪縛を断ち切り、未来に希望を見出そうとする彼女たちの決意を応援したくなる物語でした。
2023/07/14
かさお
自分の時間と金と夢の全てを母親に搾取される少女と、父親が殺人犯で母親から売春をさせられてきた少女が出会ったシスターフッド小説。言葉ほど中身は重く描かれていない。私が思ったのは、親というものは子供の事を〔自分のルールで扱っていいもの〕〔愛情あってのマイルールは伝わるし許されるもの〕だと過信しているんだな、という事。もう1人、過干渉な毒親から逃げようとした少女が出てくる。金に不自由してないので当然彼女達は分かり合えない。でも、辛さや痛みは比べられない、彼女達が大人になった時、それに気づいてほしいと思った。
2023/09/17
なみ
大学生の宮田陽彩は、学費と家に入れるお金のために、コンビニのバイトに明け暮れる。 浪費家である母親とのふたり暮らしで、遊ぶ時間も勉強する時間もない。 そんな救いのない日常を過ごす宮田はある日、父親が殺人犯だという噂がある同級生、江永雅と出会う。 恋人ではなく、だけど友人とはちょっと違うような2人の関係性がとても好きです。 終盤の、江永が本音を吐露するシーンが最高でした。 2人とも、とにかく幸せに生きてほしい。 あと宮田と堀口との会話が地味に癖になりました。ずっと聞いてたい。
2023/07/29
きくりん
学費のため、家に月8万円を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす。そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!(本作宣伝文より引用)…というわけで、すごく興味深い1作でした。複雑な家庭環境で育っている3人が主要人物なんですが、それぞれに目の前の問題に向かって、やり方はどうあれ、対処しようともがいている姿を見て、応援したくなりました。3人目の主人公、木村のその後だけ描ききっておらず、そこだけ気になりました。
2024/01/26
ichi
☆4
2023/12/02
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