KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

艮(うしとら) (モーニング KC)

艮(うしとら) (モーニング KC)

艮(うしとら) (モーニング KC)

作家
山岸凉子
出版社
講談社
発売日
2023-07-21
ISBN
9784065322116
amazonで購入する Kindle版を購入する

「艮(うしとら) (モーニング KC)」のおすすめレビュー

デビュー54年! 少女漫画を革新した山岸凉子の新作短編漫画集を30年以上前の作品から読み解くと見えてくるもの

『艮』(山岸凉子/講談社)

 日本の少女漫画界において、山岸凉子が果たした功績は非常に大きい。聖徳太子と彼の周囲を新しい解釈で描き切った長編漫画『日出処の天子』(白泉社)、20代までの女性の主人公が当たり前だった時代に、30代のヒロインを登場させ毒親漫画の金字塔にもなった『天人唐草』(小学館)、壮絶なバレリーナの世界を描き切った『舞姫 テレプシコーラ』(メディアファクトリー)……。神話や歴史、社会問題、実際の事件を山岸凉子ならではの解釈で漫画に落とし込む技術や、その知識と物語のクオリティの高さにいつもうならされる。短編漫画ではホラーの名手としても知られているが、実はあたたかい後味の作品も数多く発表している。

 近年は、まだすべてではないが、山岸の代表作が続々と電子コミックでも読めるようになった。90年代に初めて山岸作品に触れた私は、単行本化された山岸作品はほぼすべて読んでいる。ベテラン作家としては珍しく、1980年発表の『日出処の天子』あたりから画風があまり変わっていないので、初めて山岸作品に触れる読者も、どの漫画から読み始めても違和感を抱くことは少…

2023/10/1

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「艮(うしとら) (モーニング KC)」の関連記事

2023年夏、山岸凉子のホラー作品集6タイトルが待望の電子書籍化!! 代表作『白眼子』や単行本初収録『艮(うしとら)』などの傑作選が7月13日(木)より予約開始。

7月21日(金)に『艮(うしとら)』『ゆうれい談』が紙・電子同時発売、8月10日(木)に『鬼』『汐の声』『白眼子』『わたしの人形は良い人形』が配信開始

株式会社KADOKAWA 2023年7月13日

株式会社KADOKAWA(以下 KADOKAWA)と株式会社講談社(以下 講談社)は、山岸凉子氏による傑作ホラー作品集6タイトルの電子書籍を2023年7月21日(金)および8月10日(木)より配信します。6タイトルすべてについて、本日7月13日(木)より電子書店(一部の電子書店を除く)での予約を開始します。

この夏、山岸凉子によるホラー作品集6タイトルを新たに配信! キャッチコピーは〈沁みだす恐怖、貴方の夏が「凉(すず)」しくなる〉

少女漫画界に数々の革新的な作品を送り出してきた山岸凉子氏。 2021年10月、その作品がKADOKAWAと講談社で初めて電子書籍化され、これまでに12タイトルが電子化されています。

2023年夏に新たに電子化されるのは、いずれも恐怖と怪異が彩る6タイトルです。キャッチコピーは、〈沁みだす恐怖、貴方の夏が「凉(すず)」しくなる〉。…

2023/7/13

全文を読む

関連記事をもっと見る

艮(うしとら) (モーニング KC) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

あたびー

出版社品切れで結局電書。短編4本収録。「艮」買った中古物件の勝手口が鬼門だったために様々なトラブルに巻き込まれる家族。関わったエセ霊能者を含め、何となく大団円になることが出来てホッ(*´∀`)-3「死神」所謂お迎えの話。私は先祖に迎えに来てもらいたくないよう。「時計草」公園で目が覚めた女性。その場所はどこかおかしい。「死神」と共に作者の死生観が色濃く現れている気がする。「ドラゴンメイド」世界一美しい祈祷書に描かれたメリジェーヌについての物語。それにしてもイマドキの電書はすごいね。

2023/08/09

くさてる

いや素晴らしい。昔から変わっていない部分と、時代に合わせてアップグレードしている部分が両立している。独特の世界観と巧みな構成で語られるお話はすべて、山岸凉子の作品としか呼べないもの。現役のベテラン漫画家としての活躍をこれからも期待してます。

2023/09/13

petitlyz

全部面白かった。鬼門、思わず自宅の間取り考えちゃった。マンションだったら関係ないかなあ?時計草も不思議な感じの後に怖くて良かった。

2023/07/26

ぐうぐう

単行本初収録となる4つの短編を収めた『艮』。山岸凉子の描く恐怖漫画が、ホラーというよりかは怪談の感触を受けるのは、怖さの本質が違うからだ。実際にあった怖い話を漫画化してきた山岸は、そこで培った作術を手掛かりに、恐怖漫画を描く際に必ず語り手の生活を、もっと言えば内面を物語に投影させる。表題作も、外的な存在が侵入することで起こる恐怖が描かれているが、そこには主人公の日々の不安が影を落としているのだ。そこに親近感を抱くし、だからこそ怖くもある。(つづく)

2023/08/06

A.T

ひさびさ、山岸先生を読む機会が与えられ、至福を味わう。「艮」、令和風の人物、ストーリー設定にも陰陽道が自然に織り込まれて、最初の1本目として軽快です。こなれてます、インチキ霊能者の女性と飼い猫君がいいコンビ。「死神」、病院のベテラン看護師が様々な患者の最期をみおくる… 医療関係者のクールさと陰陽道の絡みという… 運び方が見事で。「時計草」、身につまされます、主人公は私じゃないかって…。(続く…)

2023/08/19

感想・レビューをもっと見る