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帝国と宗教 (講談社現代新書)

帝国と宗教 (講談社現代新書)

帝国と宗教 (講談社現代新書)

作家
島田裕巳
出版社
講談社
発売日
2023-06-22
ISBN
9784065324462
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帝国と宗教 (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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パトラッシュ

政教分離の建前のためか学校では宗教について名前程度しか学ばないが、実際は世界史を左右するほど大きな影響を及ぼしてきた。キリスト教はローマ帝国を事実上乗っ取り、中華帝国は宗教反乱で幾つもの王朝が滅び、イスラム帝国は欲望を許容する教え故に分裂と衝突を繰り返した。いわば宗教と帝国は利害が一致すれば共存共栄し、矛盾すれば混乱と戦争をもたらす原因となった。一方、維新期にでっち上げた神道を帝国の象徴として振りかざした日本は、背伸びの末に自滅に至った。宗教オンチの日本人に、歴史と宗教は表裏一体なのを忘れるなと警告する。

2023/07/29

ケイ

タイトルが内容と少し乖離していないだろうか。中学やインドの辺りまでは ほーと頷きながらだったが、どうもイスラム教関連が詳しすぎてその辺からつらかった。日本の学者がキリスト教よりというのはわかるのだが…。シーア派は、根に持つというのは納得できるね。ラジュディ氏に対して怒ったのはイランだったものなあ。引用する文献が、教科書のようなものが多すぎるのもきになった。Audibleにて。

2023/12/01

skunk_c

宗教を軸に世界史を語った本としては、かなり読みやすく、表現も平易なため、中高生あたりでも楽に読める。そういう意味では近代以前の世界史の入門書としては適当かもしれない。特にイスラーム(本書ではイスラム教、ちなみに聖典はコーランと表記)に関してはわかりやすくその宗教的特徴を押え、なぜイスラーム帝国が広がっていったかを理解しやすい。一方7章の16世紀以降のヨーロッパ勢力の拡大については叙述も荒く、特にアメリカ合衆国の成立から「帝国主義」時代は著者の息切れを感じてしまった。内容が薄く読み飛ばしても問題ないかな。

2023/09/06

よっち

興亡の軌跡を繰り返してきた帝国は領土拡大のため宗教を利用し、宗教は信者獲得のため帝国を利用してきた。「帝国と宗教」という視点から世界史を捉え直す一冊。そもそも帝国とは何かを定義してそれに関連する様々なケースを紹介しながら、なぜローマ帝国はキリスト教を国教にしたのか、中華帝国と宗教の関係性、イスラムとモンゴルという二つの帝国、ローマとコンスタンティノープルの関係性、オスマン帝国とムガル帝国、海の帝国から帝国主義へ至る道程。宗教が帝国に何をもたらしたのか、なかなか興味深い視点から書かれていて面白かったですね。

2023/07/12

ta_chanko

ペルシア帝国とゾロアスター教、ローマ帝国とキリスト教。漢帝国と儒教。マウリヤ朝と仏教。イスラム帝国とイスラーム。広大な帝国の統合のためには、部族・民族の壁を越えた普遍的な宗教が必要となる。宗教もまた、その普及拡大ために帝国の版図を必要とする。互いに利用し利用されて拡大していくが、帝国が滅びても宗教は残る。グローバル化した現代においても、西欧(カトリック・プロテスタント)・ロシア(正教)・中国(儒教)・インド(ヒンドゥー教)・イスラーム世界の大きな区分は残存している。未来はどうなるのか?

2023/07/24

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