謎とき 世界の宗教・神話 (講談社現代新書)
謎とき 世界の宗教・神話 (講談社現代新書) / 感想・レビュー
tamami
キリスト教やイスラム教、仏教の三大宗教とその周辺について、それぞれの聖典や大きな影響をもたらした神話・物語などの「本」の読み方を通して、宗教とは何かを説く。聖典、神話・物語に関する疑問点や歴史的経緯など、各専門家が担当すると共に、導入部に漫画による解説もあり、分かり易い。最終章「人々は宗教から遠のいていくのか」では宗教的世界観の後退が説かれているが、グローバル化の進展と共に、わが国にもイスラム教の浸透が言われている。宗教には無頓着的?な我々であるが、その動向にはもっと意識を向けていく必要がありはしないか。
2023/12/20
ヒデキ
各宗教の専門家と言われる人達が、初心者に判るようにギュ~と纏められていることを古市先生との対談で判りやすく書かれています。 後半は、万葉集や禅宗を通じて日本の文化で述べられています。 思想や宗教は、活字が残っていることで初期からの教えが、伝わっているもの、後世の弟子たちによってバージョンアップやバージョン変更をされているものと生き残り方も色々あるなあと思いました
2024/01/16
Kanonlicht
世界の代表的な宗教について、それぞれの専門家に質問形式で解説をしてもらった本。キリスト教がユダヤ教から派生していたり、そこからさらにイスラム教が生まれていたり、そもそものはじめにゾロアスター教があったりと、宗教同士のつながりを知ることができた。他宗教と戦うことが教義にあるイスラム教徒が、今世紀中には全世界人口の3分の1になるという予想もあるらしい。信仰としてではなく日常の行動に宗教が浸透している日本人が、これからの世界とどう折り合いをつけていくのか、典型的日本人の自分には想像もつかない。
2024/01/01
紅咲文庫
キリスト教、ロシア正教、イスラム教、ゾロアスター教、インドの神話とヒンズー教、ジャイナ教に論語や万葉集等、各分野の研究者に著者が質問を重ねることで概要を教えてくれる。各研究者が40代から50代の人たちであるところも頼もしい。ジャイナ教の研究者が、留学先のインドでもこんなに研究者の少ない分野を選んで大丈夫なのかと心配されて留学中の食費滞在費を無償にされたとか面白いエピソードだった。イスラム教の他宗教に対する考え方(全ての人がイスラム教信じるべきだ)は島田裕巳の著作とはずいぶん違っていてこれも興味深い。
2024/02/05
ta_chanko
最古の宗教ゾロアスター教の「善悪二元論」や「最後の審判」は、ユダヤ教・キリスト教・イスラームなど後続の宗教に受け継がれたが、兄妹・姉弟婚や鳥葬などが他の民族に受け入れられず、ペルシア人の民族宗教に留まった。同様に、ユダヤ教も厳密な律法主義により、ユダヤ人の民族宗教に留まった。土着の民間信仰をとりこんだキリスト教やヒンドゥー教、信仰を単純化したイスラーム、多様に枝分かれした仏教は、世界的な宗教に発展。日本の宗教・思想は神道・仏教・儒教・道教などが混ざり合ったもの。「禅」「武士道」「茶」などの精神。
2024/02/07
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