イカの哲学 (集英社新書 0430)
イカの哲学 (集英社新書 0430) / 感想・レビュー
nbhd
「新しい平和学」の提唱とかって書いてあるのだけど、結局のところ、中沢さんは『イカ』とか『イカ的なもの』って言葉をただ書き連ねたいだけなのではないかと(芸人でいう「それ言いたいだけじゃん」に近い)。「イカ」という言葉の、どこか間の抜けた、圧倒的に非暴力的なひびきを、ニューアカ的なアクロバティックな論理の上に周到に並べるといった展開。これは一種の芸当だと僕は思う。ただ、みんながみんな中沢新一さんのような人だったら、世のなかタイヘンなことになってしまうから、日本で一人くらいいればいいくらいだと思った。
2016/06/26
魚京童!
面白いんだけど、読めないよね。頭がぼーっとしてる。いつかのお酒を飲みすぎたせいで脳みそがやられてる。どうでもいい気持ちと好奇心が拮抗している。もう本にハマることなんて少なくなった。読めなくなった。何もしないでいて、それで時間ができたときなんてめったになくなった。必要なことしかしなくなった。そしてアイヒマンになる。何かを作る。考える。出来上がることなんてなくなった。野菜と肉をバーミキュラに突っ込んで待ってたらごはんができるようになった。もう何もいらないんじゃないかって思うようになった。味ぽん万歳!
2023/02/25
デビっちん
タイトルからは想像できない深い内容。元カミカゼ特攻隊員が、米国留学中の学費稼ぎの一環として数万という大量のイカと触れ合う過程で恒久的平和のための鍵を見つけ出した。著者の思考プロセスを追っていくと、日常的な生活とかけ離れた場所でぎりぎりの体験を通して戦争論や平和論が生まれている。中沢氏の文を読むと、いつも感心させられます。大量のイカ、それぞれの気持ちを考えてみると?
2016/03/08
かおり
特攻隊として、明日出陣する、という状況に追い込まれる経験、四年間ものシベリア抑留の経験。そんな死との隣り合わせの経験なんて私にはない(出来ればこのまま経験せずにいたい)。だけど、お互いの実存については、無視してないつもりだし、動物を殺して食べて生きていることに対する罪悪感だって、私にはある(屠殺の描写からは目を背けてしまう)。そういう当たり前と思えることが、思えなくなる恐さが私には恐い。
2014/09/15
白義
自然生命圏にまで拡大された実存主義というか、動物への共感をテコに現実を捉え返し共感を拡大するプラグマティズムというか、ともかくそういう、不思議な雰囲気の本。素朴な文章なのになぜか不思議と入ってくるのが面白い。中沢新一の解説は悪くはないけど理とぶっとびにかちすぎて波多野の哲学の魅力が伝わらないかもしれない。イカ娘の副読本としてもオススメじゃなイカ?
2012/02/28
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