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カケラ (集英社文庫)

カケラ (集英社文庫)

カケラ (集英社文庫)

作家
湊かなえ
出版社
集英社
発売日
2023-01-20
ISBN
9784087444735
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「カケラ (集英社文庫)」のおすすめレビュー

「後味の悪さがクセになる」と話題の湊かなえ『カケラ』が文庫化!読書家たちはどう読んだ?

『カケラ』(湊かなえ/集英社文庫)

 自分の理想の姿くらい自分で決めたいし、自分の幸せだって、自分で決めたい。太っていても痩せていても、一重でも二重でも、背が低くても高くても、当人が幸せならば、それでいいはずだ。だが、「美」から外れているものは、それだけで不幸に思える。どうして私たちは外見というものにこんなにも固執し、人の幸せを勝手に決めてしまうのだろう。

 湊かなえの『カケラ』(集英社文庫)は、そんな容姿にまつわる固定観念を炙り出す心理ミステリーだ。地の文や会話文は一切なく、一人語りだけで綴られていくスタイルは、湊のデビュー作『告白』(双葉文庫)を彷彿とさせる。全7章、章ごとに語り手を変えながら語られるのは、大量のドーナツに囲まれて自殺した田舎町の少女に関すること。多くの読書家たちの間で「後味の悪さがクセになる」として話題を呼んでいる作品なのだ。

 語り手たちの話を聞いているのは、元ミス・ワールドビューティ日本代表で、テレビでも有名な美容外科医・橘久乃。たとえば、第1章では、久乃の幼馴染が「痩せたい」として彼女のもとを訪ねてくる。久乃が聞かされたのは…

2023/1/20

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2023/7/6

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カケラ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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青乃108号

どうして読もうと思っちゃたかなあ。どうして読んでるのかなあ。オッサンの俺にはどうにもピンと来ない話だし。長い長い1人語りが延々続いて一本調子だし。何人も何人も。何人も何人も。楽しくないなあ。めんどくさいなあ。やめちゃおうかなあ。でもあと少しだし最後にあっと驚く展開があるかも知れないしなあ。ああ、結局大して驚く事は起きなかったなあ。やっぱり、オッサンの俺にはどうにもピンと来なかったなあ。ああ、どうして読もうと思っちゃたかなあ。

2023/04/21

文庫化して読むのをとても楽しみに待ちわびていた作品。証言者たちの語り口で進むストーリー。聞き取り役の美容整形外科の久乃が何か殺人的なことに絡んでどんでん返しが来るのかと思ったけれど違いそのまま結末を迎える話でした。ドーナツの描写が相当美味しそうで食べたくなりました。証言者それぞれの価値観、正義、考え方があって誰に否定される筋合いもない。きちんと決められた位置にはまるカケラだけが正しいのではない。カケラごとにはまる場所はあるし、カケラがそこで良いと思うならそれもありなのですね。

2023/04/02

いつでも母さん

「ハイ、先生。私はいい年をした大人です。でも、自分の体型管理も満足に出来ません。ずーっとやや肥満で生きてきました。顔?まぁ、普通だと思ってここまで生きてきました。上を見てはきりがないし、下を見てなんておこがましいと思ってます。向上心がない?そうかもしれません。でも、これが私です。これからもこのままです。それが何か?」そんな読後感(汗)苦手な湊さん、また読んじゃった。ん・・ん、価値観は人それぞれ、良くも悪くも湊さんだと感じた次第。はぁ。

2023/02/21

JKD

有羽の死と、美容外科医 橘久乃に対する元同級生からの露骨な妬みや嫌味満載の会話。これが何を意味するのか分からないまま登場人物がどんどん増え、状況整理が追い付かなくなる。デブの何が悪い。幸せに太って何が悪い。肥満の是非について意見が食い違い、誤解を生じさせ、こじれていく。中盤以降で核心が見え隠れしはじめ、最終章のタイトルを見て一瞬読み進めるのを躊躇してしまうほど緊張。美容整形は奥が深い。いろんな意味で。

2023/03/14

ピース

自殺した有羽について美容外科医の久乃が有羽の関係者に話を聞く形で話が進んでいく。同じことでも立場や解釈が違えばこれだけ捉え方が違うものかと驚いた。特に太った有羽を親から虐待を受けていると思った担任の先生が印象的だった。担任の先生は自分の経験から正しいことをしてるつもりでも有羽本人は全く的外れであったし結果的には有羽を追い詰めたのではないか。自分自身もどこかで同じことをしたことがなかったかと考えるとちょっと恐ろしかった。

2023/04/04

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