死刑囚の看守を通して描く「罪を犯す側と踏みとどまる側の境界線」。衝動と理性のはざまで揺れる中村文則の長編小説 テレビや新聞で犯罪者の報道を見るたび、その人たちと自分との境界線はどこにあるのだろう、と考える。なぜ、こんなことを。そう思う一方で、私も何かがほんの少し違っていたら、“あちら側”だっただろうとも思う。 “あちら側”と“こちら側”。その境界線は、ひ… もっと見る