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何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

作家
中村文則
出版社
集英社
発売日
2012-02-17
ISBN
9784087467987
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何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫) / 感想・レビュー

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抹茶モナカ

思春期に真下のように観念的雑感をノートに書いていた事を思い出した。中年になるまで実家に保管してあったけど、捨ててしまった。この小説は、思春期のモヤモヤした感覚を思い出させる。芸術作品が万人に開かれたものだ、として、生きるよすがとして提出する。思春期に出会いたかったような気もしつつ、思春期を通り過ぎないと理解できない作品のような気もする。サルトルやら、ベケットやら、思春期に紹介されても、良さはわからなかったろうし、周囲にも解説してくれるメンターもそういないだろうし。何となく幼い純文学。

2014/01/05

zero1

死刑を絡めて中村が人間を描くとこうなる。施設で育った刑務官が主人公。夫婦殺害で死刑判決を受け控訴しない山井。彼の心を開かせることができるか。懊悩をノートに記す真下。主任が語る死刑の曖昧さと矛盾。恩師が語る芸術に触れる意味。そして自分がこの世に存在する奇跡。200ページに満たない長さだが、訴えているテーマはとても深い。解説は又吉直樹。中村を「執拗に人間の暗部や実態に正面から向き合い・・・」と評している。暗く重苦しいのが中村作品の特徴だが、私は本書に希望を見た。人を生かすのは人。再読する価値あり!の一冊。

2019/02/28

ビブリッサ

グルーミーな質感の本作。刑務官の主人公が控訴期限間近の犯罪者と言葉を交わしながら、自死した友人、己の出自、生きることと死ぬことの分水嶺を歩んできた過去を思う。自分と彼は同じ側の人間ではないのか、己や他者を喰らう鬼を飼っていたではないかと煩悶する。世間に迎合する曖昧な死刑制度にも心が沈む。最後に彼が選んだのは「まっとうに生きる」ことだった。記憶の中にある施設長の大きな慈しみに「暖」を、思春期に身体を重ねた女性からは「熱」でなく「温」を貰っていたことに気付いたのだ。彼は夜を歩き続け、やがて朝が訪れる。

2017/07/27

yoshida

人生の命の意味を、施設で育った刑務官の主人公と、夫婦を刺殺した未刑囚の山井を通じて描く。山井は一週間後に迫る公訴期限に何も語らず近日、死刑が確定する。主人公は山井と似た部分を感じる。主人公の施設時代に助けてくれた施設長の沢山の言葉。自分の知らない芸術に触れることの意味。命の使い方。選択の意味合いを考える。最後に山井と主人公は語り合う。山井から届いた手紙に一つの希望を見る。まだ充分に理解が出来ているとは言えません。再読します。憂鬱な夜を迎えることは誰にでもある。いつかは光ある明日を迎える。人生はその繰返し。

2016/05/18

先に読まれた方々のレビューを拝見していたので、多少覚悟はして挑んだ本作品でしたが、本当に一部始終どんよりとした内容で重く暗く、少ないページ数にも関わらず時間がかかりました。命と犯罪者本人とは別物、等私には難しいテーマに思えました。まだ早かったかな?と思ってしまう作品でした。

2018/11/25

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