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刑事の血筋

刑事の血筋

刑事の血筋

作家
三羽省吾
出版社
小学館
発売日
2018-02-13
ISBN
9784093864770
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「刑事の血筋」のおすすめレビュー

実の刑事の息子だから書けた、3つの“警察家族あるある”――殉職した父の死の謎とは?

『刑事の血筋』(三羽省吾/小学館)

「事件は会議室で起きてるんじゃない、家族の中で起きてるんだ!」と、『踊る大捜査線』の脚本を担当した君塚良一さんが推薦するのは、三羽省吾さんの新刊『刑事の血筋』(小学館)だ。地元・津之神市の所轄の刑事としてチンピラ殺しを追う高岡守と、県警の金の流れに不信感を持ち、不正への極秘調査をすべく警察庁の刑事企画課から地元に戻った兄の剣。あまり兄弟仲のよくない2人だったが、各自が捜査を進める中で互いの「謎」がリンクし、やがて協力して巨大な闇に共に挑んでいく――。堅牢で閉じた「警察組織」を舞台に奥深い闇が見え隠れするミステリは、“ザ・警察小説”の醍醐味が満載だ。

 だが、この小説の面白さはそこだけではない。この高岡兄弟は父・敬一郎も刑事という「警察一家」なのだが、実は著者の三羽さん自身が刑事の父を持つ警察家庭育ちであり、この小説はその記憶をもとに描いたものだという。そのせいか警察官の家族とその日常がかなりリアルに描かれ、まるで「警察“家族”小説」というべき新鮮な面白さがある。あくまで展開はシリアスなのだが、たとえば以下のような…

2018/3/9

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刑事の血筋 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

お初の作家さん。警察官だった父を持つ二人のギクシャクした兄弟。その父は既に病気で他界しているが閑職の理由が知りたくて・・兄はキャリア組、弟は所轄。ある事件をきっかけに父の事や県警の裏の部分を暴き出す。父親が警官の家族って大変なのだろうな・・とは思っていた。その妻も更に大変そうだ。官舎に住むなんて私には無理(汗)一連の事件と県警の抱えるモノの収束は、まぁ、こんなものなのだろうなとも思う。なかなか清廉潔白な組織など無いのが現実なのだろうさ。冒頭の弟の作文と末尾の兄の作文が二人の性格を現していてとても好かった。

2018/03/04

おしゃべりメガネ

タイトルや装丁とはちょっとイメージが違った作品でした。堂場さんが書くようなガッチガチのカタいシリアス刑事モノかと思って読み始めましたが、意外と軽めな感じですんなり読了してしまいました。キャリアの兄とノンキャリアの弟の兄弟刑事が、刑事だった父親の疑惑に迫る展開です。兄弟の仲が悪い体でスタートしますが、そんなにギスギス感はなく、むしろ仲良し?みたいな空気にちょっと違和感があり、キャリアの兄の部下につく女性警察官のキャラも本作では癒し系というよりは、正直浮いてしまっていたような気がしました。続編ありそうですね。

2018/04/08

のぶ

タイトルから佐々木譲さんの「警官の血」を連想したが、雰囲気的にはかなり違っていた。刑事の父、高岡敬一郎のもとに生まれた兄、剣と弟、守。キャリアとノンキャリアの立場の違いはあれ、警官としての生き方を、船井町で起きた殺人遺棄事件を中心に、殉職した父の真相にも迫っていく作品だった。組織の中で立場の違う兄弟の立場をうまく描いていて、ミステリーの面白さを描きつつも、警察に身を置く刑事の人生を並行して語っていく。280ページ程度の長さにしてはいろいろな要素が詰まっていて、良く出来た作品だと思った。

2018/04/23

chimako

帰省の車中で。眠気と戦いながらの読書だったが先が気になる展開と適度の緊張感で面白く読了。エリートの兄とたたき上げの弟。父も祖父も警察官という家系に育った対照的な二人が目指すものは実は同じだった。兄弟の確執や警察の恥部、そこに絡む暴力団の暗闇は今までにも描かれてきた。新鮮さには欠けるかもしれないが読み手を手放さない力量。戸籍の売買については『祈りの幕が~』でも話の柱。今回は子どもの存在そのものの売買へ言及。子どもを売るより恐ろしい事実。何度もやるせなく腹立たしい。この兄弟のこれからも読んでみたい。

2018/04/23

ゆみねこ

15年前に捜査途上で亡くなった父、その父には暴力団との関係があるという噂が。高岡剣・守の兄弟は、警察庁キャリアと所轄刑事との立場の違いを生かし、父の噂の真相と県警の闇を探る。プロローグとエピローグの兄弟の作文が何とも素晴らしく、兄弟の性格が描かれる。三羽さんのイメージとは違い、本格的な刑事物でした。二人のお母さんが素敵!

2018/06/20

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