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もののはずみ (小学館文庫 ほ 8-1)

もののはずみ (小学館文庫 ほ 8-1)

もののはずみ (小学館文庫 ほ 8-1)

作家
堀江敏幸
出版社
小学館
発売日
2015-06-05
ISBN
9784094061772
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もののはずみ (小学館文庫 ほ 8-1) / 感想・レビュー

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KAZOO

またやってしまいました。堀江さんの文庫新刊予約をしたら、すでに角川文庫でもっていて先日再読したばかりで、その中の「鉛筆と人間」を読んだばかりでした。ただ解説が片岡義男さんが新しい解説を加えられていて、さらに3編のエッセイが加わっていました。

2015/06/07

aika

遠くない過去の日用品や玩具に惹かれて、作った人やかつての持ち主にも思いを巡らせる堀江さんの「物心」が、縦横無尽に紡ぐ「物語」。レバー式のドアノブに袖口を引っかけたり、鍵や腕時計を無くしやすかったりと、堀江さんの素の部分が垣間見れて嬉しくなりました。フランスで出会ったものを中心に、百戦錬磨の売り場の人や、そこで出会ったお客さんたちとのちょっとした会話の妙は、もはや小説。古物市の片隅で、さえない風采のでっぷりとしたおじさんが魔法をかけるようにして「もの」と「もの」を組み合わせて並べたスタンドの話が鮮烈でした。

2022/04/27

pirokichi

『小川洋子のつくり方』に収録されていた対談を読んだことがきっかけで手に取った。著者がフランスで出会い、買い、息を吹き返した「もの」について綴った53篇のエッセイ。写真付。とてもすっきりした端整な文章なのに著者のかわいらしさが詰まっている。「空気が一変した」の2匹、好きだなあ。ラスト一行にはうるっとした。「黒猫一家の海外移住について」の家族は今もお元気かしら。「おまけ」の読書家の熊は何度その本を読んだのだろう。いろいろ想像してしまう。「ネームタグ」の衣服着用の件、私もよく間違えるので、同じ!と嬉しかった。

2021/10/25

はやしま

アンティークとまでいかない「ほんのちょっとむかしの」ものについて購入背景も含めて綴ったエッセイ集。フランスの街中の古道具市を彷徨い、部屋に持ち帰ってものが持つ物心に思いをはせる異国の客の姿が目に浮かぶよう。1000字前後の文章にパスポート大の写真が添えられた53編(3編は本文庫書き下ろし)からは、作者がものを愛おしみ気持ちを弾ませる(作者が言う「もののはずみ」の)空気が伝わってくる。堀江氏が紡ぎ出す穏やかで流れるような文章とその世界を堪能できる一冊。復刊に際し角川時代の装丁を変えなかった小学館に感謝。

2016/01/04

michel

★3.5。堀江さんの「もの」へのスタンスから、奥深い感性が如実に表れたエッセイ。堀江さんの「もの」への視点や接し方は、そこにある「物心」を浮かび上がらせる。堀江さんの好ましい「もの」と興ざめな「もの」との差異とはつまり、「物」が「語」っているか否か。「物語」のある「もの」を見つけ出す眼力を持つ堀江さんは、やはり万事万物に愛情のある心豊かな方なのでしょう。年も取ったためか…私は「もの」に惹かれることがあまりなくなっているのだが、古物市に行ってみたくなった。堀江さんに引率してもらえたら、かなり楽しいだろうな。

2019/09/30

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