中継地にて-回送電車Ⅵ (単行本)
中継地にて-回送電車Ⅵ (単行本) / 感想・レビュー
踊る猫
堀江敏幸の書くものから、ぼくはいつも「声」を聞いてきたように思う。それは堀江自身の「声」でもあり、彼が読み取る/聞き取る作家たちのさまざまな「声」であり、あるいは彼が体感したできごとにまつわる「声」だ。堀江の芯の強い文体(つまり唯一無二の「声」)にいざなわれて読み進めると、主義主張を実に聞えよがしに語る大きな「声」に惑わされたりしておらず、むしろそうしたノイズの洪水からこぼれ落ちるようにして届く「声」をていねいに拾っていることがわかる。悪く言えばいつもながら地味なのだが、この耳の良さもまた唯一無二の境地だ
2023/12/20
かもめ通信
雑誌の連載や寄稿、文庫の解説、あの人この人への追悼文など、さまざまな媒体の注文に応じて生み出された52篇。小説もエッセイもすごく好みなのに、堀江作品を紹介するのはすごく難しい。けれどもやはり著者が綴るように“本を読み、読んで書き、また読んで言葉と対話した想いを人に伝える”そうありたいなと私も思う。
2024/01/08
kane_katu
★★★☆☆大雑把に言うと、書評のような文章、いわゆるエッセイ、追悼文の3種類が含まれている。ただ、著者も書いているように、何を書こうと決めずに書くので、境界はゆるやかで曖昧だ。相変わらず、堀江敏幸を読んでいる間は、日常とは違う時間が流れる。
2024/01/07
Gakio
心に残った文章は色々あるけど、加能作次郎「恭三の父」という作品を知れたのが良かった。 堀江敏幸という作家が、ひたすら読む行為によって生まれたことがよく分かる。
2023/12/05
ブネ
【MEMO】 土に還る。天に昇る。大気中に消え去る。どのような消え方も、ここでは許容されるだろう(「中継地にて」より)。 さまざまな媒体の注文に応じて生み出された52篇の小さいけれど大きな世界。 変わったことも、変わらないことも実感できる「回送電車」11年ぶりの発車オーライです。
2024/02/11
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- 出版社
- 光村図書出版
- 発売日
- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383