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ゲノムの国の恋人 (小学館文庫 せ 3-2)

ゲノムの国の恋人 (小学館文庫 せ 3-2)

ゲノムの国の恋人 (小学館文庫 せ 3-2)

作家
瀬川深
出版社
小学館
発売日
2016-11-08
ISBN
9784094063530
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ゲノムの国の恋人 (小学館文庫 せ 3-2) / 感想・レビュー

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sabosashi

意識を持つに至ったニンゲンというものは不可思議な存在であり、みずからの出自、はては自分の底に積もったもの、流れて巡っているものまでに思いをいたすようになった。  はなはだ曖昧な形容になってしまったが、遺伝子さえ突き止めれば自分の存在のなぞにまで辿りつくことが可能であるとまで断定するようになった。  それは科学であり、化学であり、つまりは生化学、分子生物学である。  もちろんまちがいなくわたしたちの存在の何がしかを明らかにすることはできる。  さらに、今後、より著しい発展と進歩とを遂げるにちがいない。

2018/05/28

yamakujira

遺伝子研究者のタナカはアジアの小国に招かれ、王子と妃候補7人のゲノムを解析して最良の候補者を選別するように求められた。子供に遺伝するリスクは低いに越したことはないし、それも夫婦の相性の構成要件と言えるから、ゲノム解析は悪いことじゃない。恋愛感情は別物だけれど、結婚相談所などで相性診断の要素として活用されるかもしれないな。でも、すべてを無駄にするエピローグが爽快だ。「仲の悪い隣国どうしの国民のゲノムを比較すれば、ほとんど誤差と言っていいぐらいの差違しかない」ことがもっと知られればいいのにね。 (★★★☆☆)

2019/08/05

あひるのふせん

すべてが予言できるわけではない、将来的に起こることの原因になり得る。多く遺伝子と運命を紐づける題材がSFやファンタジーにありますが、専門知識がある作者が書けば、まず絶対などないと示されます。遺伝子の研究者が婚約者を誰にすべきか決めてくれたまえと王族にせっつかれる荒唐無稽な展開に、主人公はタナカと名乗るだけの日本人。ヒーローや救世主にはならずとも、科学を間違って伝えないことが彼の一貫した正義です。スピード感のある、行きて帰りし冒険譚としての娯楽性と新鮮な知識、いいとこ取りをさせてもらえる一冊でした。

2018/10/21

Riko

図書館で借りた

2021/02/27

山田馬太郎

現在のゲノム研究とその利用について紹介するのに適した物語だと思った。個人的に生物学は少し齧って居るので、実験の手法や結果、考察などはとてもリアルなものに思えた。ストーリー自体は少し平凡さも感じるが、ゲノム研究というトピックを加えることで神秘性と現実性が増し、読み応えのある物語になって居るように感じる。生命科学に疎い人がこれを読むとどう感じるのかが気になる。

2018/12/01

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