一等星の恋 (小学館文庫 な 34-1)
一等星の恋 (小学館文庫 な 34-1) / 感想・レビュー
相田うえお
★★★★☆20122【一等星の恋 (中澤 日菜子さん)】①★4:天体観測かぁ。まさか涙腺揺さぶり話だとは思いもせずジ〜ンと②★5:出産話。妊婦のオカンが面白すぎて爆笑!③★3:主人公の女性、コートをパッと脱いだらブラとパンティー!危ない〜④★3:中高年婚活話。婚活会場で自分のアピールと自慢話を取り違えてる人、いるかも⑤★4:専業主婦自立話。何でも屋の『何でも』は、まじ、何でも?⑥★3:祖父、戦時混乱期に封印した心が〜会津若松界隈舞台の深い話⑦★3:他人が庭にテント張って10日間暮らさせてくれって!ニャン!
2020/12/06
しゃが
既読の『星球』の文庫本、文庫本のお得感は飛行士山崎直子さん巻末解説。ほとんど忘れていたので愉しめた。年齢や環境が違ってもどこかに純な思いを抱いているのだろう。「半月の子」は産科医が高校時代の思いを寄せていた人、コミカルでクスッ感もあり、“母から母親になる”女性だけの喜びを…。「七夕の旅」は70年前に戦争により人生が変えられた兄弟と二人の妻にならなければいけなかった千代子さん、切なかった。が、三人三様に日々の暮らしを営み、それぞれを陰ながら思いやり、課せられた人生を全うしようとする大人の愛が心に残った。
2021/01/20
ゆなほし
星・天体をテーマに描く、7つの恋愛短編小説集。まず天体観測が趣味の玲史が心震わせる憧れの彼女との交流を描く「一等星の恋」。夜にしか会えない彼女の顔は分からない。彼女の「短い人生のあいだに、たったひとりでもいい、誰かの一等星になれるなんて、すばらしいことじゃないかなあ」という綺羅星のような言葉が印象的。こんな美しい話があると思えば反対に、まるで暗黒星雲の如き「星球」のような屈折した恋の話もある。どの話にもそれぞれの星が散りばめられており、心に優しかったり激しかったり様々な星明かりを灯してくれる。
2020/10/07
エドワード
恋を星に例える心憎い短編集だ。星を見る会で出会った女性に恋した怜史は「彗星が戻って来れたら、顔を見せてあげる」との賭けをする―「一等星の恋」。妊娠した美咲の主治医はなんと初恋の人だった!「半月の子」。ある劇団に脚本を書いた朋子は、主宰の若槻にほのかな恋心を抱くが、<外の人>の壁を乗り越えられない―「星球」。中でも、孫娘が祖父の戦中戦後の驚くべき青春を知る「七夕の旅」が出色の出来だ。遠い昔に確かにあった若き祖父母の紆余曲折。ほろ苦い余韻が心地よい。それこそ夜空の星のごとく、老若男女、悩みは尽きないものだね。
2021/07/16
ぽろん
星、天体をテーマにした恋愛短編集。秋の夜長には、お似合いかな。表題作は、どストライクという感じの物語で逆にこそばゆく感じた。里帰り出産の出来事を描いた「半月の子」は、コミカルながらホロリときて、良かったです。解説が宇宙飛行士の山崎直子さんで、インパクトがあった。
2020/11/13
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