美の旅人 フランス編 (1) (小学館文庫 い 31-4)
美の旅人 フランス編 (1) (小学館文庫 い 31-4) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
ただ一度パリを訪れたことがある。ルーブル美術館の前まで行きながら美術館に入らず、パリ三越で家族や知人への土産を買うことで時間をつぶしてしまったことを、今、心から悔やむ。妻、母、妹は私が買って帰ったバッグを見て心から喜んでくれた。しかし、私はそれに費やしたお金を、いやいや、ルーブルに入ることなく費やした時間を心から悔やむのだ。クロード・ロランのセピア色、素敵ではないか。あぁ、後悔先に立たず。ルーブルではないがモネの『印象・日の出』は昨年11月26日に京都市美術館で見ることができた。せめてもの慰めか、あぁ・・
2012/09/19
taku
初伊集院静。自身の知識と感性で、絵画や画家を解説している本。気軽に読めてわかりやすい。フランス編の続きやスペイン編も読んでみたくなった。また美術館巡りをして数多くの本物に会いに行こう。「浴槽の2人の貴婦人」から、(右)わたくしチクビームが出せますことよ。(左)見せてご覧なさい。というストーリーを感じ取った。盛大に外していた。でも自分なりの観賞法でよいのだ。自分のセンシビリティで作品に向き合う。それが作者をはじめ、芸術に触れさせてくれる人達への敬意だ。
2017/05/07
Matoka
ルーブル美術館の歴史が面白かった。かつてここにはジャルダンやダヴィッドがアトリエを持ち、住んでいた。ナポレオン美術館という名称で呼ばれていた時代もあったとは!
2017/06/07
miho
【2021-112】【図】初めての伊集院静氏。絵画に関する本はこれまで主に中野京子氏を読むことが多かったので、また違った視点で知ることができるのが嬉しい。旅行ができないこのご時世、本の中だけでも旅をしているようでとても楽しかった。続きも読もう。そしてどうやら先にスペイン編があるらしいので、そちらも。
2021/08/13
まさにい
小説家はストーリーを紡ぎだす。紡ぎだす過程は登場人物のイメージを大切にする。登場人物のバックストーリーを考えながら。絵画は静止したキャンパスにストーリーを描くのではないだろうか。一見両者は異なるようにも思えるが、このようによくよく考えてみると共通点がある。そうだとすれば、伊集院のこの絵画の分析は作家の目で絵画のストーリーを解析しているようで読んでいて面白い。芸術家たちの生きたバックストーリーを調べながらの随筆には、なるほど~、と唸るような記述が満載である。
2020/07/09
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