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写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫)

写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫)

写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫)

作家
島田荘司
出版社
新潮社
発売日
2013-01-28
ISBN
9784101033136
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写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

後半になってかなり面白い方向にいって楽しませてくれました。やはり時代編のほうが物語性があって楽しく読めます。回転ドアが出てきたのは日蘭合弁会社ということなのでその伏線があったということなのですね。オランダ商館長の日記まで掲載されていてまあ今までにはない写楽説でした。

2016/06/14

Tetchy

ミステリ作家が歴史上の謎に挑む。これには高木彬光や松本清張といった偉大な先達が試み、しかも日本ミステリ史に残る偉業として今も讃えられている。島田が選んだ題材が東洲斎写楽の正体という使い古された謎ながらも新たな解釈を打ち出し、この平成の世に響く作品を物にした。島田は忠実に偉大なるミステリ作家の先達の道程を辿っている。それは後続の作家たちに日本本格ミステリの伝統を継承するための創作活動のように思えてならない。本書が写楽の正体への決定打となるとは断言できないが少なくとも偉大なる先達と肩を並べたと断言したい。

2013/02/16

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

浮世絵師写楽の謎を追う後半。フィクションなので、どこまでが事実で、どこからが推察なのかがはっきりしません。でも、島田氏の後書きを見た限りでは、かなり綿密な調査に基づいて書かれているようで、彼の斬新な解釈にも本当にこのような事実があったかもと思わせるものがありました。ただ、残念なのは現代の登場人物に魅力がない。一番活き活きと描かれていたのが、版元の蔦屋だったというところが残念。冒頭の回転扉の事故も不要でしょう。テーマが良いだけに残念です。★★

2013/04/06

GaGa

写楽の正体は誰だったのか?その観点で書かれた本で、島田荘司氏曰く構想20年の小説だという。ただ、この説には無理があると思う。作者が提示する人物が写楽であったとするならば、その人物が何故、そのことについて記した何かを残さなかったのか?なぜなら、写楽にだって子孫はいるだろう。それが国際的な価値すらある作品の作者の子孫として名乗り出ないのは首を傾げたくなる。ただ、江戸編Ⅲでの蔦屋重三郎が抱く思いは頷ける。ならば、それを春朗に託したとするのが一番自然ではないか?私は写楽=春朗(北斎)説の方を推したい。

2013/04/28

チョモ

写楽について著者の考えが述べられます。匂わせた伏線を綺麗に纏めていくのは流石に手馴れてますね。色々とクドかった現代編は少し大人しくなり、今巻のメインはやはり江戸編だと言えるでしょう。人々の情緒溢れる交流が素晴らしい。それにしても写楽が○と×の△だったとは! 本書の写楽説。学術的にはどうなのかは存じませんが、一読書家としてはとても面白く読めました。こういった形で自説を発表出来るのは小説家ならではですネ。逆に、そこに大目的があったが故に物語の完成はおざなりになってしまった感があるかも。そこは少し残念なトコロ。

2013/10/12

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