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豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2002-10
ISBN
9784101050218
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三島由紀夫とは何者だったのか。絶対に外せない三島作品【5選】

 三島由紀夫に対して、かたい、難解、右翼思想…などといった印象を強く持ってしまい、なかなか手をつけられないでいる人も多いと聞く。確かにその文体はかたく、これでもかと煮詰められた思想が随所にちりばめられており、はじめのうちは読むのに苦労するかもしれない。

 筆者はそんな皆様に、「肩の力を抜いて読む」ことをおすすめしたい。そうすると、三島由紀夫という人間が身近な存在に、そしていつしか、心の拠り所のように感じられることだろう。しかしやはり、どれほど読み慣れたといっても、その文章が精緻な宝石の流れる川のように美しいことにはひたすら圧倒されるばかりである。

 本稿では三島由紀夫の名作の中から、読みやすいもの、外せないもの5作をご紹介したい。

このまとめ記事の目次 ・美しい言葉で紡ぐ、若い男女の恋愛物語――『潮騒』 ・「美」の本質とは何か―『金閣寺』 ・LGBTについて考えたいならこの1冊―『仮面の告白』 ・舞台芸術のために捧げた作品―『鹿鳴館』 ・三島由紀夫が最後に辿り着いた“転生”とは―『豊饒の海』

■美しい言葉で紡ぐ、若い男女の恋愛物語――『潮騒』

『潮騒(新潮…

2019/2/3

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皇族の婚約者を妊娠させてしまう、禁断の恋――三島由紀夫『春の雪 豊饒の海(一)』

『豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)』(三島由紀夫/新潮社)

『豊饒の海』は三島由紀夫生涯最後の長編大作。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の全4巻で構成される、輪廻転生をテーマにした物語。禁断の恋、右翼思想、官能的美女、悪魔的少年を魂が巡る。本作の完結直後に三島は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に乗り込み割腹自殺。日本史に残る「三島事件」を起こした。

・『春の雪』あらすじ

 物語の舞台は明治末期から始まる。左の脇腹に3つのほくろがある主人公、清顕(きよあき)は華族の家に生まれ、幼少期はさらに位の高い家系に当たる綾倉家に預けられて育った。その綾倉家には清顕より2歳上の聡子という一人娘がいて、彼らは姉弟のように育てられた。

 清顕にとって聡子は、幼馴染であり、姉のようでもあり、そして初恋の相手とも言えるような存在だったが、やがて10代後半という繊細な年頃を迎えた彼は、聡子に対して突き放したような態度をとるようになる。しかし実は清顕が気付いていないだけで、聡子は彼のことを深く恋慕していた。

 清顕に突き放された聡子は傷つき、殿下と婚約する。そこで清顕は聡…

2018/11/28

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豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

Z会の通信添削をやっていたころ、現代国語の問題に出された。その書評で「久しぶりに小説らしい小説を読んだ余韻に浸ることができた」と書かれていたので、早速文庫を購入して読んだ。三島由紀夫が描く大正初期の絢爛優雅な世界に圧倒された。松枝清顕と綾倉聡子の悲恋が哀しい。私の中では三島作品第一位である。

ヴェネツィア

再読。『豊饒の海』の第1巻。この連作長編では、「輪廻転生」を一貫したテーマとしているのだが、この『春の雪』は、そうしたことを離れて、むしろ独立した小説として読みたい。そして、これはまた何という優雅な恋愛の物語だろう。儚く美しく、まさしく美と愛の崩落性がこれほど見事に描き出された例がこれまでにあっただろうか。比喩の美しさもまた比類がない。例えばこんな風に…「彼はとうとう手を膝掛けの下へ入れた。そこでは、温かい巣の中で待っていた狡さをこめて、聡子の手が待っていた。」月修寺(圓照寺)を用いた構想もまた実に見事。

2012/06/17

れみ

時は大正初期。明治維新で功を成した松枝侯爵家の嫡男・清顕と、平安時代から帝に仕える朝倉伯爵家の令嬢・聡子の、ままならぬ恋の物語。清顕の生まれ持った性質なのか年齢ゆえか自分をどんどん苦しいところに追い込んでからでなければ喜びを得られないみたいな…本当厄介。とはいえ、両親から聡子と宮家との縁談についてあんな風に聞かれたとき、この年頃のこういう性格の人が素直な気持ちを言葉にするかっていうと、難しいかも。そして、三島文学に触れると語彙の豊富さや美しさにいつも満たされるけど、この作品は特にそう感じる。→

2018/05/04

red falcon

『文章読本』の中で三島由紀夫は、文章の最高の目標は格調と気品だと書いていますが、それを裏付けるような第一巻でした。さて、本作のテーマは、書評などから「因果応報」と「輪廻転生」ときいています。本多が傍聴した刑事裁判のところで、「すぐにわかることはこの殺人事件が、一連の情熱のオートマチックな動きに乗ぜられて、しゃにむに悲劇の結末へ到達したことであった」と書いているところは、因果応報の巨大な火車が回り始めると、人の手では止められないことを言っているのだと思いました。

2018/12/24

れみ

お芝居観るための予復習その①このお話を読むのは3回目なんだけど、今回一番印象に残ったのは綾倉伯爵と蓼科の八年前の出来事。伯爵のこの、大事件に遭いながらなかなか腰を上げない感じの裏に隠し持つ復讐心やしぶとさとか…何とも言えない。聡子との恋愛を難しい局面になってから進めようとした清顕は、老いることが嫌で無意識のうちにそういう方向へ進んだのかな。解説の佐伯彰一さんによればこのシリーズは「近代小説の大前提と常識に向かって正面切った反抗をくわだてた作品」で、その導入部である第一巻はそれを多くの人に読みたいと →

2018/10/28

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