KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

リカバリー (新潮文庫)

リカバリー (新潮文庫)

リカバリー (新潮文庫)

作家
小野寺史宜
出版社
新潮社
発売日
2017-10-28
ISBN
9784101211510
amazonで購入する Kindle版を購入する

ジャンル

リカバリー (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

となりのトウシロウ

最愛の息子を不慮の交通事故で亡くしたプロサッカー選手灰沢考人。強い自身の責任を感じ自暴自棄になり家族は離散、レギュラーも外れる。加害者家族も悲惨な運命を辿る。砂田佳之也はその加害者の息子で灰沢と同じくプロサッカー選手になる。そんな二人を描いた作品で事故を起こした直後の悲しく辛い前半から、それでも自分がやるべき事を見定め立ち直っていく姿やそれを支えてくれる周りの人達が描かれる。経験豊富なベテランになっても若い者に学ぶことがたくさんあるというのはその通りだと思う。

2024/03/17

真理そら

「転がる空に雨は降らない」改題。交通事故の加害者家族と被害者家族のその後。プロゴールキーパーなら息子の能力に応じた距離のキックをしろよ、と思いつつもおじさんGK灰沢が松永成立さんのイメージに重なってしまって「がんばれ!」と応援してしまう。加害者の息子・カノヤは事故の結果に翻弄されながらもサッカーの能力を開花させていく。試合場面も含めてサッカー好きにはたまらない作品。灰沢がカノヤ君の事情を知った時どう思うんだろう…。

2023/04/05

けろりん

あまりに痛ましい冒頭に、押し潰されそうになりながらも、読むことを止められなかった。サッカーボールを追って、公園の植え込みから飛び出してしまった男の子を、自動車で撥ねてしまった男性。不慮の事故が二つの家族を壊した。息子を喪った父と、父を亡くした息子。奇しくもプロサッカー選手と、プロを目指すサッカー少年。それぞれの視点で物語が展開する。サッカーボールによって失われた家族の絆への哀惜を忘れ去るのではなく、プロ選手として、自分を鍛錬し、限界に挑戦する事で辛い現実を乗り越えて行ことする彼らの姿が眩しく、励まされた。

2021/11/04

えりこんぐ

交通事故の被害者家族と加害者家族。ものすごく辛い話なのに、読む手が止まらない。小野寺さんの書くものは本当に優しくて、厳しい現実も包み込んでくれる様な心地。プロになったカノヤも小さいシュウトくんも、灰沢選手だってまだまだこれから! 【積読22】

2023/03/26

目の前で起きた交通事故で息子をなくしたプロサッカー選手の灰沢考人。その後投げやりな人生を送り、サッカーにも集中できず不倫をし妻とも別れてしまう。加害者の息子で、父は事件の責任から自殺をしてしまったカノヤ。サッカーを通じ人々に支えられて2人は苦しみながらも前に進む。「努力や才能だけでは成功しない。身内の助けや時の運が、絶対に必要だ。そうしたものが全て揃って人のプレーヤーが出来上がる」あとがきにもあったが、サッカーだけでない。人生もそうだ。小野寺作品はいつも、人に支えられていることを再確認できるから大好きだ。

2019/07/29

感想・レビューをもっと見る