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明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

作家
佐藤多佳子
出版社
新潮社
発売日
2019-04-26
ISBN
9784101237367
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書店員・花田菜々子さんが選ぶ「出会いがないという悩みに効く本」

 本の世界には、あなたの今の悩みを軽くしてくれたり、生き方のヒントになる作品が数多くあります。今回は、「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」の店長で、著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』がある花田菜々子さんに、出会いがないと悩んでいる人におすすめの本を紹介していただきました。

お悩み:出会いがない、出会いがほしい。

■選書したのは…

花田菜々子 はなだななこ 1979年東京都生まれ。「ヴィレッジヴァンガード」に勤めたのち、「二子玉川 蔦屋家電」ブックコンシェルジュ、「パン屋の本屋」店長を経て、現在は「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」店長。著書『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』は大ヒットに!

■処方した書籍は?

 元カノとのある事件をきっかけに、学校にも行けなくなり、心を閉ざしたままコンビニの深夜バイトに明け暮れる主人公。だが、バイトの先輩がネット動画の「歌い手」をやっていることを知ったり、真夜中に突然現れた女…

2019/11/9

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明るい夜に出かけて (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さてさて

物理的には暗いはずの夜。そんな夜に明るさを見出す人がいる。心の拠り所をどこに求めるかは人それぞれです。誰にも心の拠り所はあるはずです。そんな心の拠り所が照らし続ける光は、それが例え他の人から見て儚いものであったとしても、その人にとってはかけがえのない、人生の行く先を照らし続けるものだということもあるのだと思います。ゆらゆらとぼんやりとした、それでいて沢山の可能性を秘めた青春の灯火の中に富山の未来が確かに照らされている、そんな光景を結末に見る物語。暗いはずの夜に確かに明りが灯るのを感じた、そんな作品でした。

2021/03/10

こーた

ラジオの人気が沸々と再燃しつつある、という記事をさいきんどこかで読んだ。この小説を読むと、その理由がよくわかる、とまではいわないけれど、何かナットクできるような気がする。同時代の孤独と、ゆるやかな連繫。終始〈俺〉のひとり語りで進行するナラティヴ(文体)は少々とっ突きにくいが、百頁くらい読んで慣れてくると、これ以外の語りはありえないのでは、とおもえてくる。口承芸能、浄瑠璃や落語に似たリズムを、現代の若者言葉でやっている。これ今で云うと何だ、と考えたが何のことはない、この語り自体がラジオそのものなのだ。⇒

2020/10/27

へくとぱすかる

深夜ラジオを舞台のホリゾントのように据えて、コンビニのアルバイトの日常生活を描きながら、そこに年齢の近い者どうしがつながっていくありさまを重ねていく。正直に言うと、パーソナリティを知らなかったので、小説の設定上の存在だと思っていて大変驚きました。夜にラジオを聞かなくなって長いもので……。鹿沢くんが予想よりも大きな存在。いい友人です。佐古田とは恋愛まで行かないのが、ありがちな話を回避していて、物語をリアルにしていて良い。過去の修復と同時に今を過ごし新しく生きる術を見つけていく。紹介どおりの暖かな世界でした。

2020/05/30

utinopoti27

夜のコンビニでバイトする大学生の富山は、深夜放送のネタ職人だ。そんなある日、彼は店にやってきた地雷娘風の高校生のリュックサックに目が留まる。なんとそこには神レベルのネタ職人の証である缶バッジが2個もついていたのだ・・。本作は、オールナイトニッポンのパーソナリティ・アルコ&ピースに情熱を注ぐ若者たちを描く。現実のコミュニケーションは苦手でも、アルピーを介してなら通じ合える二人。不器用で繊細な彼らの青春に、若き日の自分を重ねる時、ふと蘇るあのテーマソング『ビタースウィート・サンバ』。佐藤多佳子さん、最高です!

2020/12/04

エドワード

まずは同い年である佐藤多佳子さんの若者言葉の完璧さに脱帽。ここまで書くとこれは全世代に届くね。深夜のコンビニで働く富山を中心に、先輩バイトの鹿沢、同級生の永川、毎日現れる女子高生・佐古田。みな悩みを抱えていて、孤独だ。佐古田のキャラのつきぬけ感がすごい。実在の深夜ラジオとツィッターを駆使してコミュニケーションしながら、かえって孤独感が増す様がリアルだ。ラジオネームという別人格の使い方が上手い。鹿沢の音楽、佐古田の演劇、四人の共感、ラジオ番組の行く末とも相まって幸福な終幕。「明るい夜に出かけて」いい題だ。

2019/05/04

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