特集番外編1 2007年10月号
特集番外編1 編集M.N. 上橋菜穂子という作家を知っていますか? では、『精霊の守り人』は? 『獣の奏者』は? え、知らない。ファンタジーに興味ない。なんてもったいないことを! 上橋菜穂子の魅力は“ファンタジー”にあるわけではありません。だって彼女の作品には、ひとつの魔法もない、それどころか、ひとつの奇跡だって起きないんですから。じゃあなにが起こるのかって? ただ、生きているだけです。生きて、学んで、思い通りにならない現実に、自分の力で立ち向かっている。泣きながら、笑いながら、憎みながら、愛しながら。異世界(ナユグ)にすまう精霊たちと触れたり、王獣と呼ばれる大きな生き物が登場したり、霊狐やヘビ神や呪術師や……確かにいまのわたしたちにはなじみのないものの存在する世界、そういう意味では確かにファンタジーなのだけれど、決してお伽話なんかじゃないんです! 本誌の特集を読めば、きっとそのこともおわかりいただけるでしょう。上橋菜穂子ビギナーにもお楽しみいただけるよう、作品紹介や、著名人からの推薦コメント、人物相関図などもご用意しております。 え…