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家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2006-09-28
ISBN
9784101253374
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家守綺譚 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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風眠

(再読)私の父方の祖父母は不思議な人だった。説明のつく事も、つかない事も、理屈ではなく経験で知っていた。私が小さい頃、手に豆ができた事があった。その手の豆を揉みながら何か唱えていた祖母。次の日、手の豆は跡形もなく消えた。どうやったの?教えて!って頼んだら「人に教えると効き目が無くなる、死ぬとき教える」と言っていた。けれど教えてもらう前に亡くなった。綿貫征四郎の隣の家のおかみさんは私の祖父母を思い出させる。この世のものも、あの世のものも、共存していた百年前の日本。知らない筈なのに懐かしいのは、何故だろうか。

2015/10/17

しんごろ

不思議、妖しい、妖艶?を感じさせるお話!面白い!河童や人魚や小鬼やらいろいろ出てくるわ、季節を感じるわで独特の世界でした(^^)間違いなく再読するでしょう(^o^)ピース又吉さんが愛してやまない本らしいwBGMは女子十二楽坊(古い?w)がすっぽりはまると思います(^^;)

2016/01/22

さてさて

今は亡き親友・高堂の実家で暮らすことになった征四郎の一年を丁寧に描くこの作品。普段の日常生活から見ることの、聞くことの、そして感じることの少なくなった繊細な光の輝きや音、また、生き物の”生”の営みの美しさ、儚さ、そして力強さが全編にわたって紡がれていくこの作品。そして、そのそれぞれを表現する日本語が持つ無限の可能性に、まるで夢を見ているかのようにどっぷりと浸れるこの作品。梨木さんの巧みな言葉の魔法を通して、まるでこの世界がそこに本当に存在するかのように作品世界の確かな息遣いを感じさせる絶品だと思いました。

2022/02/25

yoshida

出張の往復の新幹線内で読了。亡き友人の実家を預かる駆け出しの物書きの青年の日々。時代設定は明治後期でしょうか。今の日本からは喪われた、もしくは私たちが便利さと多忙さで忘れてしまった、四季の移ろいや何気ない草花の美しさが味わい深く描かれています。飼い犬のゴロー、隣のハナおばさん、和尚、ダァリアの君、そして突然現れる友人高堂。彼らとのやり取りが一話毎に彩りを添える。サルスベリや桜鬼とのやり取りも良し。もっとゆっくり、四季の移ろいを感じて、道に咲く草花にも目を向ける心の余裕を持ちたいと感じた。料理も魅力的です。

2015/07/10

Willie the Wildcat

四季折々の草花、生き物、そして・・・、高堂、ゴロー、隣のおかみ、河童、カワウソ老人、小鬼との関わり。 その中でも、ゴローとの”間”、高堂とかけあいは親密でもあるが、ほのぼのとする。京都の竹林で今一度静かに読んでみたい一冊である。その場所も知人の住む湖西線(京都・滋賀の県境)を感じさせた。

2011/08/14

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