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村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15)

作家
梨木香歩
出版社
新潮社
発売日
2023-01-30
ISBN
9784101253459
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村田エフェンディ滞土録 (新潮文庫 な 37-15) / 感想・レビュー

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よっち

19世紀末トルコ、スタンブール。不思議な下宿。魅惑の異文化。かけがえのない友人たちと留学生・村田がトルコで過ごした青春の日々を描くメモワール。ドイツ人オットー、ギリシア人ディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう留学生の村田。東ローマ帝国への追懐、オスマン帝国復活への願い、戦争から必死に遺跡を守ろうとする思いなど、異文化や異なる地で育ってきた人々との宗教観や考えの違いに戸惑いながら、積み重ねてゆくその交流はかけがえのないもので、だからこそ日本に帰国してからのギャップに悩める日々にやるせなくなりました。

2023/02/22

niisun

読メで、梨木さんの『ピスタチオ』の感想にコメントを頂いた中で、オススメして貰った作品。梨木さんの本はいろいろ読んできましたが、タイトルからして、恐らく自分では選ばない作品ですが、とても面白かったです。第一次世界対戦前夜のトルコ(土耳古)に、書生上がりの日本人青年が考古学の研究員として滞在し、そこで、様々な国から集まった様々な思想信条や立場の人達との交流が描かれています。東西のクロスポイントである彼の地での日常的異文化交流が、繊細に描かれており、非常に興味深い作品です。梨木作品の中で一番好きかもしれません。

2023/12/12

まさ

新潮文庫版で再読。19世紀末のイスタンブールで出会う異国の人たちとの交流。国は違っても、国民性が異なっても、繋がっていくのだ。往時の世界情勢から不穏な影は広がるが、何度読んでもこの交流を美しく愛おしく感じる。あとがきを読み、村田や鸚鵡がこの後どう生きたのか想ってしまう。

2023/03/15

虹色

19世紀末、トルコに留学中の村田は、英国人が営む下宿で、異なるそれぞれの国の人々、立場、宗教、に触れていく。著者作品『家守綺譚』『冬虫夏草』のように日本ではなく異国の地スタンプールだが、同じように日々の生活音や、人々の体温まで感じさせてくれる味わい深い文章は、好みです。同じ下宿でギリシャ人のディミトリスから教わった言葉<私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない>考古学に加え学んだものは大きかったでしょう。

2023/05/14

あつ子🌼

角川版を持っているのに買ってしまった…著者あとがき『あの頃のこと』とジャケに惹かれて…あこぎな真似しやがって…(え。)何度読み返してもいいなあ!

2023/03/07

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