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聖家族(下) (新潮文庫 ふ 42-5)

聖家族(下) (新潮文庫 ふ 42-5)

聖家族(下) (新潮文庫 ふ 42-5)

作家
古川日出男
出版社
新潮社
発売日
2014-01-29
ISBN
9784101305356
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聖家族(下) (新潮文庫 ふ 42-5) / 感想・レビュー

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優希

語り続けられる歴史は現代と交錯し、語り継がれます。すべての時間軸は「鳥居」によって融合されるのが圧巻でした。これは現代小説であり歴史小説でもあり家族小説でもある。凄い作品ですね。

2023/01/23

メタボン

☆☆☆☆ 「あとがきにかえて」に、東北にサグラダファミリアを建てたとあるように、私の代としては読了したことになっても、物語はこの先も続いていくのだろうと感じさせられる作品。大作だった。「未完成」がテーマなのだから、この作品の在り方はこれで良いのだが、やはり狗塚三兄妹の行く末は気になるところ。上巻の牛一郎・羊二郎の山形での暴行シーンがピークだった。下巻は戦国時代から江戸時代末期の歴史に狗塚家・冠木家のヒストリーが重ね合わせて語られるパートを主体に、東北のエピソードが散りばめられている。

2021/02/27

かわうそ

ある家族を中心とした東北の歴史・年代記的な側面が強く、一つの筋として物語を追うというよりは散りばめられたエピソードから立ち上がってくる全体像を把握するという読み方にならざるを得ない。バランスはあまりよろしくない気もするけど熱量は圧倒的です。

2014/04/30

不識庵

この物語は頭で読むものではない。胸のあたりで受けとめるといいだろう。作者はジャンルの制約を超えた作品をつくりあげた。ごった煮的なものではない。想像力(創造力)の翼を大きく広げて、緻密に編み上げている。聖家族の聖は、決して宗教的なものではない。現世に生まれてしまった人々の、その時々の現在(いま)を生きた記録であり、記憶である。たくさんの人の生に構成されて、聖家族(サクラダ・ファミリア)は建つ。東北に。

2018/04/01

poderosa2

鳥居に狛犬、犬から馬へ、牛に羊に鳥達が羽ばたき、十二支に鬼門の方角へ東北は蠢いている。全ては点であるものは、「血」という繋がりで、「東北」はそれぞれの県境に、明日は今日に、言葉は紡がれ、鳥居に導かれながら、ストーリーは縦横無尽に駆け巡る。これぞ文学のクロスオーバー。古川日出男の挑戦はこれからも続き、我らを誘うはずだ。熱が冷めやらぬこの心に、古川日出男が翻訳した「平家物語」はもう少し温度が下がってから。魂が揺れているのです。

2017/09/06

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