女たち三百人の裏切りの書 (新潮文庫 ふ 42-7)
女たち三百人の裏切りの書 (新潮文庫 ふ 42-7) / 感想・レビュー
Matoka
なかなか…。読むのにとても時間かかかった。宇治のパートの語り口はとてもよかった!蝦夷とか海賊のパートが読みにくいのと結局何が何やらわからなくて、挫折しそうになりながらもなんとか読了。物語が入子状態になってて不思議な世界観だった。
2024/03/07
Ryo0809
藤原姓の娘、藤(紫)式部が平安後期に憑依して語り始める…。宇治、憂し、氏という三つの語と藤、紫、源という語がどこまでも絡みあっていく。宇治は宇治十帖に、憂しはこの世の乱れと憂いを、氏は台頭し始める武門に、それぞれなぞらえている。憑坐を介して物語る式部の語り口が面白い。物語のはずが書となり広く読まれ出すと、いつの間にか現実と溶け合って見境いがなくなる…。その何とも言えない頼りなさ(浮遊感)が楽しめる不思議な「書」。仕掛けられた伏線を読み解ければもっと楽しいのだろうが、一読後ではそこまで辿り着けずだった。
2024/01/18
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