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グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)

グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)

グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)

作家
前田司郎
出版社
新潮社
発売日
2010-08-28
ISBN
9784101336312
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グレート生活アドベンチャー (新潮文庫) / 感想・レビュー

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巨峰

表題作は、ヒモ化した男の日常を。全然本人は深刻じゃなかったりするんだな。これが。しかし、女のものは自分のものみたく日記とか勝手に読んだりして、続きに自分の日記を書いたりしてまぁいい加減です。だからいいのか。併録の「ゆっくり消える。記憶の幽霊」は海辺の崖から飛び込んだ30女の思考をたっぷり描きます。どちらも脳内がただ洩れ状態、その思惟の飛び方が結構面白くて。まあ僕も似たようなもの。この方の作品は、自意識はあっても妙な構えがないかんじです。

2019/02/04

tu-ka

冒頭、RPGのキャラを擬人化したような話かと思いきや、単なるニートというかヒモ男の思考垂れ流しが延々続き、もしかしてこれは私小説なのかと思ってみたり・・・。「ゆっくり消える。記憶の幽霊」の方はなかなか斬新だったな。

2018/06/02

乱読999+α

表題作=怠惰そのもの。将来を考えることもなく、只、今を自分の意のまま、本能に委せて、RPGのゲームの世界に沈み、ヒモ生活を送る男の世界。おかしみと少しのペーソス。それでも現実の世界は彼に迫ってくる。でも、彼にはその重さにつぶされる日は永遠に来ない。そんな気がする。羨ましいのか?それとも哀れなのか?   ゆっくり消える・・・=崖から投身自殺をする、世間からフェードアウトしようとする女の話。飛び込んでから死までに浮かぶ雑念の数々。途中で見えてくるコビトは何?奇妙な話でよう判らん。ってのが本音。w

2018/08/11

kuririn

本書には「グレート生活アドベンチャー」と「ゆっくり消える。記憶の幽霊」が収録されている。「グレート」の方は、ヒモ男の日常を描いた作品。金もなく仕事もしていないが、なぜか「なんとかなる」と思っている主人公。いったいその自信はどこから湧いてくるのか不思議だが、自分も似たようなところあるから笑えないなあ。「ゆっくり消える」は、意外と面白かった。死ぬために崖から飛び降りたのに全然下にたどり着かない女の頭の中を描いた作品。死に方を決めた過程とか恋人のこととか。延々と続くとりとめのない描写がファンタジックで楽しい。

2021/01/27

あやの

RPゲームをして、稼ぐお金はゲームの中のお金だけ。何百時間もかけて何をやっているんだ。そんな切実な問題を考えないように考えないように、魔王の存在について思いを馳せたりしている。たしかに魔王は絶対的な悪で倒されるためにあって、しかも敵は大体自分よりちょっと弱い。現実はそんなよくできた都合のよい世界じゃないものな。だからゲームをやるのだけど。二作目の崖から落ちてく一瞬の頭の中がこんなに何ページにもなるのがすごい。

2015/10/07

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