注目の新刊 『濡れた太陽 高校演劇の話』(上・下) ダ・ヴィンチ2012年8月号
ボサボサで油っぽい髪。指紋付きのでかい眼鏡。痩せてて、チビ。もてない高校1年生の相原太陽は、クラス合宿で披露した出し物を機に、演劇部乗っ取りを企てる。劇団「五反田団」主宰の三島賞受賞作家が描く、等身大の自伝的群像青春長編。演劇論としても興味深い。
最終更新 : 2018-06-08
演出家
ボサボサで油っぽい髪。指紋付きのでかい眼鏡。痩せてて、チビ。もてない高校1年生の相原太陽は、クラス合宿で披露した出し物を機に、演劇部乗っ取りを企てる。劇団「五反田団」主宰の三島賞受賞作家が描く、等身大の自伝的群像青春長編。演劇論としても興味深い。
岸田國士戯曲賞や三島由紀夫賞など、権威ある文学賞に数々輝いた前田司郎さんの新作、『ガムの起源 お姉さんとコロンタン』のインタビューがダ・ヴィンチ6月号に掲載されている。 「子どもの頃、『まんがはじめて物語』が大好きだったんですよ」 モグタンとお姉さんのコンビが「はじめて」を探して追求していく子ども向け教養番組のこと。新作の小説では、ブキミな「お姉さんとコロンタン」のコンビが登場する。 「ガムって不思議。飲み込まないし栄養にもならない。なぜガムは存在するのか。誰がどういう考えで作ったのか。高校の頃から興味があった疑問を “はじめて”観に行くという構成で考えたんです」 一筋縄ではいかないのはこのあとだ。 「書いていくうちに全然関係のないことに興味が出ちゃって、そっちの方に話が流れてしまい……。最終的に3コぐらいしか“はじめて”が書けませんでした(笑)」 なぜこうなったのか? 「昔は旅行に行くとき、ここで何を見て何をしてっていうのを先に決めていったんです。大人になってからは泊まるところだけ決まってて、あとは実際に行ってみて、気に…
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