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未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)

未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)

未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)

作家
乃南アサ
出版社
新潮社
発売日
2005-01-28
ISBN
9784101425382
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未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

音道貴子シリーズの第4弾。6つの短篇から成る。篇中で最も哀切感に溢れるのは「聖夜まで」だろう。警察官であること、あらねばならないことの辛さと悲哀が貴子の共感を通して語られる。事件の発生から、思いがけない展開に向かってゆくプロットの構成も実に巧みだ。また単一の事件が持つ拡がりを描いてゆく手法も練達の手腕をうかがわせる。それは貴子にとっても、自分にもあるいは起こり得たかもしれないことであり、ことと状況次第では私たちが当事者であった可能性をも排除しない。日常に潜む陥穽を摘出した佳篇である。

2020/03/29

ehirano1

どうしてこうも音道貴子シリーズに魅かれるのだろうか(「嗤う闇」、「風の墓碑銘」は既に準備万端で積んである)?謎解き(むしろ未解決の編もある)、ジェットコースター、どんでん返し、そんなものは皆無。なのになぜ魅かれ読み続けるのか?、としみじみと思索に耽りながら読んでいると”音道貴子に会いたい(重里徹也)”に全部代弁されていました。それでは「嗤う闇」へ。

2016/03/26

けい

様々な種類の事件と貴子自身の日常と心情を描く6編からなる短編集。事件内容のチョイスが豊富で、彼女自身の心情・心理を絡めて考えさせながら楽しませてくれます。警察という職業の特異性を際立たせるとともに、女性として人としての貴子の迷い、恐れ、悲しみそして喜びを描きます。やりきれない気持ちがここそこに残る作品群でしたが、貴子と母親の心温まるやり取りに少しだけ救われ気がしました。

2014/05/13

セウテス

刑事音道貴子シリーズ第4弾、短編集第2作品目。シリーズの最初にも書いたのだが、本シリーズはミステリというよりは、主人公を中心に切り取った人生の一端を描く物語だ。今回も彼女は刑事である事に、仕事を持つ1人の社会人である事に、友人や恋愛に心を割く女性である事に、細かな描写がなされている。私にとって彼女は理想的な女性では無いのだが、読んでみるとハッキリと彼女を身近に感じるのだ。何処かで警察手帳を出されたら、「あの音道刑事ですか」となる事が不思議に感じないと思う。きっと呑みに誘うであろう、友人になりたい人である。

2019/10/14

Satomi

音道シリーズ。第2弾とあるのはどうやら短編として第2弾ということらしい。ややこしい。読む順番間違えた。貴子が巻き込まれた監禁事件ってのを読まねば。とはいえ順番すっ飛ばして何作か読んでしまっているシリーズのでまぁ今作も問題なく読めました。「聖夜まで」衝撃作でした。子供が犠牲になる痛ましい事件。加害者はまだ幼い子供。加害者の子供の両親は警察官。真面目な人ほど追い詰めらてしまうのだ。これは辛い結末でした…。今作も正義感溢れる音道はかっこ良かった!!

2017/03/29

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