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美麗島紀行 (新潮文庫)

美麗島紀行 (新潮文庫)

美麗島紀行 (新潮文庫)

作家
乃南アサ
出版社
新潮社
発売日
2021-10-28
ISBN
9784101425603
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ジャンル

美麗島紀行 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

乃南さんの作品はほぼ全作品既読かと思うが、彼女が台湾にここまで興味を持っていらっしゃったのは初耳だった。いわずもがな「美麗島」は、16世紀にこの島を発見したポルトガルの船員が「フォルモサ=麗しき島」と呼んだことから名づけられたもの。乃南さんご自身は東日本大震災後、台湾からの(アメリカをしのぐほどの)巨額の義援金に感動したことに端を発して興味を持たれたらしい。わたしも台湾本はいくつか読んだので既知のことも多かったが、大変勉強になった。今作を読んで、少しでも多くの日本人が訪台を楽しんでくれることを願う。

2023/08/02

小太郎

読み始めてすぐにこれ読んだことがある!と気が付きました。台湾で神様になった日本兵のエピソードが印象的だったので。調べてみると新潮社じゃなくて集英社に15年に単行本で出ていた奴じゃありませんか、文庫になって装丁が変わってまた買ってしまうという失敗(新しい後書きが良くて満更失敗でもない例も多数ありますが 笑)を久しぶりにしてしまいました。これを読んで台湾へ行こうと思った忘れがたい一冊。単なる紀行じゃなくて台湾と日本の関係のかなり深いところまで突っ込んだ名著だと思います。再読しました。★4

2024/03/01

piro

この島はかつて日本だった。そして途中まで日本人だった人々がいる。日本の敗戦によって「光復」が訪れた側の台湾の人々が、その後味わった過酷な日々も、私たち日本人にとって馴染みのない歴史。緩い台湾旅エッセイなのかと思っていたら、とても真面目な真の意味での台湾の入門書の様な一冊。私たちが知っておくべき事実を、真摯に綴った紀行本でした。乃南さんの著作は初読みですが、丹念な取材と偏りの無い冷静なスタンスに感服しました。隣人である台湾の人々に大きな敬意と感謝、そして親愛の情を持って、また台湾を訪れてみたいと思います。

2021/11/30

外枠発走

台湾の紀行文。台湾は、昔から一度は行ってみたいと思いつつ、未だ行けていない。日清戦争の後、日本の植民地となり、五十年の統治期間で、インフラのみならず、教育や文化の面で大きな発展を遂げた。台湾と日本の繋がりは深い。著者は精力的に、様々な土地を訪ね、会話を重ねた。繋がりの深さを語る人々は年々少なくなっていて、貴重な文献だ。著作は数多く、この作品も安心して読める。美しい景色や美味しい食べ物が台湾の魅力として紹介されがちだが、日本との繋がりの深さを十分理解した上で、当地を訪れたい。

2023/07/30

紫羊

母方の親族で台湾から引き上げてきた人がいた。財産は全て失ったが、略奪や暴力などなかったそうだ。この本にも日本の敗戦と、それに続く混乱が描かれている。日本の統治時代しか知らない台湾の人たちの多くが感じたという「私たちは捨てられた」という言葉に胸が塞がる思いがした。

2023/01/16

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