KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

父 (新潮文庫 こ 26-3)

父 (新潮文庫 こ 26-3)

父 (新潮文庫 こ 26-3)

作家
小林恭二
出版社
新潮社
発売日
2003-02-01
ISBN
9784101478135
amazonで購入する

父 (新潮文庫 こ 26-3) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

三柴ゆよし

著者従来の作風からすると異色作ということになろうか。事実と事実の間隙を縫うようにして、言語に尽せぬ空虚をその身に宿した、ひとりの「父」の姿が現前してくる。自身と父との微妙な関係についても、ある程度まで言葉を費やしており、その点では、著者唯一の(私の知る限りでは)私小説といえるかもしれない。批評と感傷が見事に折衷した傑作であろう。「昼の月淡々しきを一目見て終に言い得ぬ物を悲しむ」。

2010/12/29

ミツ

著者が自らの父の生涯を親戚知人へのインタビューとそれに対する批評を綴った小説。 作家の身内自慢かと思いきやなかなかどうして感傷的で、父のことを誇るでも貶るでもなく鮮明に書き出そうとしている。 やはり戦前生まれの人の人生は壮絶で、迫力があり、ドラマとして十二分に面白い。

2009/08/20

うき。

シャッターが下りたままだからこの距離感で書けたのか。これだけの人に話を聴かせてもらえるだけの人であったということは、ご本人は否定されるかもしれないが、こどもとして誇らしいものではないだろうか。どうもいろいろあったらしい祖父のこと、食い下がって聞いておけばよかったなあ。家族の歴史を知るっていい作業だなあ。

2010/08/25

九鳥

淡々としているのに、胸に迫ってくる。

2005/02/01

馬場貴生

自らの亡父を追うノンフィクション小説とでもいおうか。息子が父を見る視点よりも、父自身の強烈なキャラクターに目を惹く。その壮絶な生きざまは、物語の一つのキャラクターとして立っている。そして息子の俯瞰な視点が、親子とは思えない距離感を持っており、父親の生きざまを悲しく見せる。父と息子は、こうも悲しくあらざるを得ないのか。深く共感するところもあれど、上記のように思うと悲しい。

2013/02/15

感想・レビューをもっと見る