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紺碧の果てを見よ

紺碧の果てを見よ

紺碧の果てを見よ

作家
須賀しのぶ
出版社
新潮社
発売日
2014-12-18
ISBN
9784103370314
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紺碧の果てを見よ / 感想・レビュー

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いつでも母さん

何も知らなければ海軍さんの制服はカッコイイ。その上に藍色のタイトルが切ない。須賀さんの作品は読むのに体力が必要だが、それでもこれは読み易く一気に読了。あの頃、このような家族が沢山あったのだろう。兄と妹。夫と妻。妻と小姑・・そして海軍兵学校の友。数多の若者が露と消えた敗戦。「我らは敗北を糧に立ち上がる防人である。いかなる時代にあっても、諸君よ、紺碧の果てを見よ」と総員を前にして鷹志の言葉が心に刺さる。美しい妹・雪子の出さなかった手紙は遡るほどに私には苦しい。この『愛』の物語。沢山の人に読んでもらいたい。

2017/12/12

たいぱぱ

いかなる時代になっても、諸君よ、紺碧の果てを見よ。この台詞に泣かない人間はいないだろう。単なる戦争の悲惨さを描くのではなく、海軍として戦った主人公・永峰鷹志の心の成長や葛藤はもちろん、妹の雪子、そして妻の早苗の女性の心模様が美しく残酷に描かれてるのが心に刺さる。章を追うごとに遡る雪子の手紙がまた涙を増幅させる。レイテ島付近に散った僕の祖父と鷹志は同世代。読みながら、はじめて祖父の人生を考えていました。僕が産まれたのは終戦からたった23年後。昔話に感じてたのに、今更ながらそうではないと気付き愕然としました。

2021/01/30

そら

長い旅を終えたような気持ちになった。歴史小説を手に取ることは少ないが、戦争の歴史は知らなくてはならないことだろう。戦艦や戦闘機の種類が多く、読了までに時間が掛かった。戦争に詳しくはない私でも、ラバウルやガダルカナルの地名は聞き覚えがある。物語はフィクションだが、なぜ人は人と殺し合わなければならなかったのか?改めて考えてしまう。散っていく命の描写がとても辛かった。決められた中でしか生きられない登場人物たちも、凛とした生き様がとても美しい。誰しもが防人である。「紺碧の果てを見よ」込み上げる涙が止まらなかった。

2022/02/14

昭和の初め~大東亜戦争終結までを描いた長編。関東大震災、盧溝橋事件、支那事変、五・一五事件他、全て順を追っていきながら主人公鷹志が軍人として、人として立派になっていくのがとても勇ましい。途中中だるみするところもあるけれどとても詳しく時代の流れを調べられているなあと思います。雪子と鷹志の強い絆の話かと思っていましたが、思っていたほどでもなかったです。私は雪子より早苗のほうが好きです。あと皆川をはじめ鷹志の戦友も良かったです。兵学校時代の話が1番面白かったです。

2015/01/31

ゆみねこ

会津出身の兄と妹。兄は遠縁の永峰家の養子となり海軍の士官となり、妹は彫刻家の道に進む。戦争に翻弄される若い命、戦況の部分は少し読み飛ばし気味に読了しましたが、皆川の言葉と主人公鷹志の言葉、やはり生ききらなければならないと強く感じる読後です。途中で雪子の手紙を挟む構成は中々良かったですね。

2015/10/20

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