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ええじゃないか (単行本)

ええじゃないか (単行本)

ええじゃないか (単行本)

作家
谷津矢車
出版社
中央公論新社
発売日
2022-09-20
ISBN
9784120055744
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ええじゃないか (単行本) / 感想・レビュー

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パトラッシュ

明日を信じられなくなった集団は、ある方向が正しいと信じさせれば簡単に暴走する。不穏な空気が充満した幕末期に金儲けをたくらむ晋八たちを討幕運動に使う坂本龍馬の陰謀が重なり、「ええじゃないか」の掛け声がコントロールできなくなって爆発する有様は、トランプ支持者による米議会占拠事件と通底する。偶然彼らのたくらみを知って追跡する市之丞たちは、無責任な上部に振り回される下っ端公安刑事の悲哀を感じた。SNSのない時代にここまで集団騒乱を起こしたプロデューサーぶりに感心するか、今も昔も変わらぬ大衆の愚かさに慨嘆すべきか。

2022/10/28

サケ太

非常に面白い。時代の中で、権力の外にあり、社会のつまはじき者であるトリオと権力側のコンビの対比で、幕末という時代、そこで生きる人々を活写する。時代の狂乱、それを誘導し、徐々に手の付けられない怪物と化していく。その中で生きる。生き抜いた、メイン5人の姿が好き。

2022/10/15

Mc6ρ助

『この件に関しては、どんなに頭をひねっても悪役が出てこない。誰も暴利を貪っておらず、誰も得をしていない。・・政に瑕疵があるからだ、となるのは、決して突飛な考えではない。(p48)』誰かが得をして見えるときも政の瑕疵があることが多いのだよ・・(江戸と同じ五公五民なのに令和の民はええじゃないかで鬱憤を晴らすこともまま成らずかくて少子高齢化が加速していく)。谷津矢車さんの龍馬さんまで巻き込んで疾走するノンストップ・エンターテイメントでした。

2022/11/04

そうたそ

★★☆☆☆ 学生時代、教科書に載っていた"ええじゃないか"という言葉に当時随分と惹かれたのを覚えている。実際、史実としてはよく分からない部分が多いであろう、ええじゃないかを著者なりのエンターテインメントに仕上げた一作。こう読んでみると、時代は違えど、現代で起きていることも本質的には同じだな、と思える。

2024/03/16

mitubatigril

ええじゃないかの掛け声で踊り狂う庶民達。 上から命じられその集団を探るよう庭番の役を仰せ付かり旅立つ市之丞 三河国にくだり当地で引き合わせられた御用町人の里を案内役とし探り初めると首謀者は庶民の婆に罪科もちの男に子供の3人組だった。 そして混乱の都で湧き上がる混乱の世に 今の世にも通じるような型に何だか目に浮かぶような迫力が 読みがいを感じた。

2022/10/16

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