KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ハネムーン (中公文庫 よ 25-3)

ハネムーン (中公文庫 よ 25-3)

ハネムーン (中公文庫 よ 25-3)

作家
吉本ばなな
出版社
中央公論新社
発売日
2000-07-01
ISBN
9784122036765
amazonで購入する Kindle版を購入する

ハネムーン (中公文庫 よ 25-3) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

奇妙な関係性の物語。語り手のまなかと裕志もそうだが、まなかと今はブリスベンに暮らす実の母、まなかと継母のそれぞれは、違和感はないものの、やはり特殊な関係性にある。物語そのものの内容はけっしてそうではないのだけれど、全体には一貫して孤独感と寂寥感が覆う。また、夢と現実とが等価なほどに語られ、そこには非在感さえもが漂うのである。あるいは透明感こそがこの作品の本質なのかもしれない。特にエンディングの空気感は鮮やかだ。なお、MAYA MAXXの挿画は小学生のような具象と、プロの抽象とが混在したような味わい。

2012/10/08

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

人がひとり死んでも、世界は何ごともなかったようにまわるけれど。当たり前にいた人が、もう息をしていない、毎日繰り返していたあの姿をもう見ることがないんだ、ということは、周囲の人を何かしら絶対的に変えてしまう。上手く言えない、誰かとも共有もできない、肌で感じるような理を、静かな生活を淡々と描くことで伝えてくる。「取り返しのつかないことをしないように。/取り返しがつかないことがいくらあっても、生きていくしかないということだけを、人は言うことができる」「世界は私がどうなろうとなんとも思っていないけれど、→

2019/01/23

おしゃべりメガネ

私には珍しく、ちょっと合わないばななさん作品でした。隣に住む幼馴染みの男女が自然と惹かれ合い、普通に結ばれるのが基本ストーリーでそこは問題なかったのですが、男女それぞれにまつわるエピソードが正直なんとも話に入り込めず、あまりの非現実さにちょっとシラケモードで結局はそのまま読了です。いくら小さな頃から一緒に過ごしている幼馴染みだからといって、そんなに何もかもが二人の思い描くように展開していくかなぁと。いつもは何かしらココロの琴線にふれるばななワールドですが、今作に限っては残念ながらスルーしてしまいました。

2016/09/23

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️⭐️本年4冊目。ばななさんは通算12冊目。吉本(漢字)さんの頃の作品。題名から想像する明るい内容では無いのですが、悪くは無いお話だと思いました。小さな変化を見逃さない感じや共感、時間空間の共有、誰もが持つ壊れやすい部分が痛んだり、心を閉ざしかけた時に無理にこじ開けずに、そっとしておく感じが何とも柔らかくてしっくりきました。こころの刺々しい何かが気がつくとフッと消えているような、柔らかな陽射しに見守られているような感じの暖かいお話でした。

2020/01/28

ミカママ

いや、嫌いじゃない、どちらかと言うと大好きな空気感なんだけど、ここ数日たて続けに読んだばなな作品、正直ごっちゃになってます。社会的にちょっと生きづらそうな男女の恋愛物語。頭を使わずとも、物語に入り込める展開は大歓迎。主人公たちの肩をたたいて、いろいろあるよね、と言ってあげたい。

2014/02/19

感想・レビューをもっと見る