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ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

作家
スタニスワフ・レム
デザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ。
沼野充義
出版社
早川書房
発売日
2015-04-08
ISBN
9784150120009
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あらすじ

惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。人間以外の理性との接触は可能か?――知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版

ソラリス (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

再再読。以前の2回は『ソラリスの陽のもとで』(ハヤカワ文庫、飯田 規和訳)で。これまでの版はロシア語からの重訳であったが、今回はポーランド語原典からの訳出。やや煩雑に思える節もないではないが、やはりこちらが正統派であろう。作品の解釈は、それこそソラリス学がそうであったように百花繚乱。私自身の読者としての解釈でさえ前回とは違っている。基本的にはファースト・コンタクトをテーマとするのだろうが、そこには不条理なまでの意思の不疎通が立ちはだかっている。今回痛切に感じたのは、全編を覆う圧倒的なまでの寂寥感であった。

2018/07/16

藤月はな(灯れ松明の火)

映画のタルコフスキー版、ソダーバーグ版も共に未見。惑星ソラリスの海が投影してきた人々。彼らは死者でもあり、自分が求めていたものでもある。それでも彼らに出会った人々は狂乱に陥らずにはいられない。何故なら対象者がどんなに目を背けたく、忘れたいと思ってもいることもありのままに映し出す鏡でしかないから。そして鏡には理由はないという気味悪さ。醜悪なビーナスやハリーが出てくるシーンは映画『イット・フォローズ』を想像してしまって怖かった。そして何もかも優先順位と意味付けして安堵する人知に対し、ソラリスは何て穏やかだろう

2018/02/08

YuriL

【第5回ガーディアン必読1000チャレンジ】で読了。主な感想は先に読んだ英訳Solaris(http://bookmeter.com/cmt/51371088)に譲る。邦訳は巻末の訳者解説を是非読まれたし。特に、1965年に出ていた飯田規和氏訳の限界?に関する言及が興味深い。この作品が読む者によって如何様にも読める多面多層構造を持つSF作品であると同時に、レムによる当時の社会主義圏における「人間中心主義」「人間形態主義」への強烈な批判、アンチテーゼであったとする訳者の意見に私も強く賛同する。

2015/11/01

ケイ

SFという枠の中で命や平和が語られている。地球にしても、海は命を生み出したところだ。宇宙船や宇宙ステーションなどは、閉所恐怖症の私にしてみればまったく恐ろしく息つまるところなのが、この作品では優しさや思いやりが生まれてきている。書かれた当時の1960年代は、まさに様々なSF作品が生まれたSF黄金期だと思う。冷戦や核の恐怖で息詰まる中、まだ一歩も踏み出せていなかった宇宙の方が、自由に想いを馳せることができたのかもしれない。

2015/10/27

Kajitt22

赤と青、ふたつの太陽を持つ、美しくもミステリアスな惑星ソラリス。その意思を持った鈍色の海とのファーストコンタクトは、その人の無意識の底の意識を具現化した訪問者だった。その意味は親切、友情、不意打ち、嘲笑、拷問、顕微鏡的研究、それらのすべてか、あるいはまったく別のことか。長大なソラリス学の解説が苦痛だが、ハリーの登場が、著者の意図に反して、この物語を色彩豊かな陰影濃いものにしている。宇宙飛翔願望のある人でなくても、日々の未知との遭遇に備え必読の書です。

2016/05/12

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