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タッチ

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作家
ダニエル・キイス
Daniel Keyes
秋津 知子
出版社
早川書房
発売日
2005-12-01
ISBN
9784152086884
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タッチ / 感想・レビュー

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キムチ27

結構鈍い痛みが伴い続け、読むには呻吟してしまった。放射能漏れ~誰しも予測できない事故である・・がそのリスクは身近にあり、自分だけは「罹災しない」と平和に思っている。バーニーとカレン夫婦もそうだった。化学事故の叙述というのではなく、かなり細部を綴る素晴らしい心理ドラマ。改めて筆者は心理学者である作家だと感じる。男は《(人間は)って言い替えられるかも》毎日毎秒少しずつ崩壊して行く・・生きた放射性アイソトープと言えるのかも。それに比する妻の案外な無神経さが気になった。ラストの衝撃・・日本の小説ならこうしないな。

2017/05/19

のっち♬

理不尽かつ不可逆な事故により放射能汚染されたバーニーと妻カレンの変遷を通して、著者は人間がいかに動き、希望を見出すかを綴っている。「わたしたちはみな、人に被害を与えると同時に自分も被害者なのよね。誰もが苦痛を受け、与えるように出来ているのよ」広がる感染、腐敗、汚染。経済面と政治面から責任より隠蔽を選ぶ者たち。「原因を非難できないとき、人はその手段となったもので間に合わせる」最新の科学、医学常識とは一致しない部分もあるが、結束された憎悪の矛先で二人が苦悩する様にある種の普遍性を感じる。これが真の後遺症か。

2019/03/16

むつこ

1968年に出版。不妊治療をしているうちに夫婦仲が悪くなってきた状態で放射線物質による事故に遭遇します。「放射線ちり」と呼ばれる粒子の存在がまるで伝染性の菌やウイルスのようにコロコロと至る場所で発見される様に誤解を招くようではあるけれどわかりやすい例え方だと思った。子供の欲しい男女の心理描写も含め、あの時代(出版当初)にここまで表現できることに驚き、科学の進歩は光のように早いけれど人の心は時代が変わっても同じなんだなぁー。

2014/12/09

はせこー

この本は読む人によって捉え方が変わるやろうな。 事の大きさは違うにしても、同様の出来事は身近で起こってるだろうな。 どう反応するかはその人次第。

2012/12/24

zanta

かなり昔に読んだ本の再読だった。事故からあと、夫婦に起こる被害や迫害まで痛々しい思いで読む。姉が信仰を持ち出すあたりから解りにくくなったが、互いを思いやりながらすれ違う姿は身につまされる。

2012/09/30

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