ありがとうって言えたなら
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余命1年、折り合いの悪かった母との別れを描くコミックエッセイ【瀧波ユカリさんインタビュー】
いつの日か必ずやって来る、親との別れ。いったいどんな気持ちになって、どんな日々になるのか――毒舌家で生命力に満ちあふれ、死神すら尻尾を巻いて逃げるような母親が余命1年のガンとなり、最期を看取るまでを描いた瀧波ユカリさんの『ありがとうって言えたなら』(文藝春秋)。すでに親を見送った人も、今まさに渦中の人、そしてこれからという人にも読んでもらいたいコミックエッセイです。
■母の病気がわかったときから、いつか何かに書くかもしれないと思っていた
「母の病気がわかったときから、私はこういう仕事をしているので、『はるまき日記』で出産のことも書いたし、いつか何かに書くかもしれないと思っていました。そのときはマンガにするのか、それとも文章にするのかまでは考えていなかったんですけど、親が病気になってワタワタしているときって文字よりもコミックエッセイの方が読みやすいだろうなと思って、最終的にこういう形になりました」
2014年春、大阪に住む看護師の姉から瀧波さんに連絡があり、釧路の実家にいる母親が膵臓がんで余命1年ということを聞かされるシーンから始まる本書。姉が母親を…
2018/3/9
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ありがとうって言えたなら / 感想・レビュー
美登利
初読み作家さんです。すい臓ガンになった母と娘(子供たち)の実話でした。このお母さんの雰囲気がちょっと自分の母親に似ていて、共感できることがあり過ぎて辛い気分まで共感してしまったよ。子供たちを最後まで振り回して逝ったお母さんだけどみんなに愛されていたんだね。まだ若いうちに親を亡くすと残された子供たちは本当に複雑なんです。あれもこれもやっておけば良かったと後悔することしきり。ここまでやってあげられたユカリさんとお姉様方に感服致します。私は未だに距離を置いてる身なので真似出来ないなと思いました。
2018/03/27
馨
お母さんがすい臓がんが発覚し、亡くなるまでのコミックエッセイ。自分も母や親が近い世代だし他人ごとと思えませんでした。病気の家族を見舞う、看病するのは本当に疲れるのだなと思いました。自分自身までも自殺したくなるほど疲労困憊になるし、ドラマなんかで見るような光景はありえず、病人は自分のことしか考えられないし、終始痛みに耐えたり、看病側も痩せていく、だんだん食べられなくなる母親を毎日目の当たりにするのは本当にしんどいと思います。元気なうちに感謝は伝えておかないとなと思いまいた。
2018/04/15
ねむねむあくび♪
世の中にはたくさんの人がいる。育児の本は多くても、闘病や看取りの本は、実はそう多く無い。幸い今は家族を看る状況ではないけれど。とても勉強になった。もしも自分や友人の家人の時は、死にたいほどの限界になってないか?と、俯瞰して、配慮したいと思う。
2021/11/29
ぐっち
瀧波ユカリさんは、江古田ちゃんもよいが、エッセイとがにかく面白い。この本も表紙から間違いない感が漂ってる(これはエッセイ漫画)。お母さまが、泣かせる闘病記的な模範的病人じゃなくて、ワガママ放題で看病してくれる姉につらく当たってたりが、リアルはこうなんだなあと思う。母に邪険にされながらも看病を続けるお姉さんがすごい。お母さんの余命を受け入れられないユカリさんの葛藤も、包み隠さず描いてくれている。うちの母は「3日以内」と言われながらもなんとか持ち返したのをいいことに、私にはまだまだ覚悟ができていないようだ。
2018/06/30
さなごん
私も最近母を亡くしたばかりなので読んでみた。うちは突然死だったので、こうやっていつか来る日を待つのもしんどいだろうなと思った。その辺りは斜め読みしてしまった。亡くなってからのところはまだそんなに泣けてない私にもわかる部分とわからない部分とあり。私の中にある母を亡くした喪失感を少しこのかたのコミックでいい子いい子してあげられたような気がしている。
2018/03/09
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