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孤剣の涯て

孤剣の涯て

孤剣の涯て

作家
木下昌輝
出版社
文藝春秋
発売日
2022-05-10
ISBN
9784163915364
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「孤剣の涯て」のおすすめレビュー

徳川家康に呪いをかけたのは? 老いた剣豪・宮本武蔵の呪詛者探索の旅を描く『孤剣の涯て』

『孤剣の涯て』(木下昌輝/文藝春秋)

 デビュー作『宇喜多の捨て嫁』が直木賞候補になって話題を呼び、以降も意欲的に歴史エンターテインメント作品を発表してきた木下昌輝氏の新刊『孤剣の涯て』(文藝春秋)。物語の舞台は徳川家康が天下を統一し、戦乱の時代が終焉へと向かう変革期。主人公は歳を重ねて「もはや時代にそぐわない」と自覚する剣豪、宮本武蔵だ。

 孤独につつましく暮らしていた武蔵は、自らが創始した円明流を託した最後の弟子、佐野久遠が何者かに殺されたという報を受け、さらなる失意の底に沈む。そこに水野日向守勝成の家老、中川志摩之助が現れて武蔵に奇妙な仕事を依頼する。京の地で「五霊鬼の呪詛」があり、徳川家康に呪いがかけられた。この呪詛者を生け捕りにしてほしいと言うのである。世を捨てると決めていた武蔵はその依頼を一度は断るが、久遠の死と呪詛者の関連がわかり、探索の任を引き受ける。それは久遠の仇を討つためだった。

「五霊鬼の呪詛」は、徳川家を祟り続けた呪いで家康の祖父である清康を呪殺し、家康の嫡男の信康の死にも関わっているとされていた。その呪いの方法は、妖かし刀・…

2022/8/5

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孤剣の涯て / 感想・レビュー

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starbro

木下 昌輝は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。宮本武蔵が主人公で、大坂の陣の時代の伝奇浪漫、著者の最高傑作という帯の触れ込みもあり、期待して読んだのですが・・・ いずれにしても本作で直木賞受賞はないと思います。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915364

2022/05/27

みっちゃん

生首を呪いの道具にするというおどろおどしい始まり。これはてっきりホラーでしょ、と思えばこれって家康に呪いをかけた犯人は誰だ⁉️っていうミステリーなんだね。その探偵役は何と、剣豪宮本武蔵。次々と現れる「容疑者」が大物揃い、明らかになるラスボスは全くの想定外で驚いた!ただ本作品はあの宇喜多シリーズの後日談であり、前作出てきた「傾奇」のその後でもあったり盛り沢山すぎて、同じく大阪夏の陣を扱った『幸村を討て』には個人的な感想ではあるけど及ばないかな、と。ただ家康のとことん冷酷な処は今村先生と評価が同じで興味深い。

2022/08/04

修一朗

前作の「敵の名は宮本武蔵」の武蔵像が史実ベースだったのと比べてこっちは妖刀村正と五霊鬼の呪いを描いた奇想天バージョン。傾奇を愛した水野勝成を始めお葉と坂崎直盛など人間関係を知って面白かった。千姫救出作戦への新解釈も。首実検は煩雑な作法があるけど遵守すれば殺生の罪業から逃れられると自己暗示がかけられるのだ。これだけてんこ盛りエピソードなのに生き方を変えられない時代遅れ者として描かれる宮本武蔵が魅力薄。これなら豊臣の呪いの物語でなくて,千姫を思う坂崎直盛をメインにしたら魅力的なストーリーになったのに。

2022/06/23

のぶ

先に読んだ、今村翔吾さんの「幸村を討て」と時代的状況が、驚くほど似ていたので驚いた。どちらも時代は大坂の陣。今村さんの方は真田幸村が主役だったのに対し、本作の主人公は宮本武蔵。もちろん視点は異なっているが、二つの大坂の陣を比べる事ができて楽しめた。こちらの宮本武蔵は、家康憎し陣営と家康陣営の狭間で、ある依頼を受けて真相を暴く任務につくミステリーの要素が含まれていて面白かった。また自分の思っていた武蔵像とかなり違って、何か情けない男に描かれていて、新たな一面を知る事ができた。徳川、豊臣の描写も良かった。

2022/05/13

まちゃ

戦国最後の戦い・大坂の陣を前に、大御所・家康にかけられた「五霊鬼の呪い」の謎を探索する宮本武蔵の物語。弟子の死に固執する武蔵に魅力を感じることができませんでした。伝奇小説としては中途半端な印象。「著者最高傑作」は煽りすぎのような気がします。

2022/06/12

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