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私たちの世代は

私たちの世代は

私たちの世代は

作家
瀬尾まいこ
出版社
文藝春秋
発売日
2023-07-24
ISBN
9784163917276
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「私たちの世代は」のおすすめレビュー

ダ・ヴィンチ編集部が選んだ「今月のプラチナ本」は、瀬尾まいこ『私たちの世代は』

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年10月号からの転載になります。

『私たちの世代は』

●あらすじ● 「今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと」。2人の小学3年生の少女、冴と心晴を襲ったのは未曾有の感染症による、日常生活の急激な変化。なんとか不自由な登校自粛期間を乗り越えた2人だったが、冴は家庭環境のせいでイジメに遭うようになり、心晴は休校明けに登校のきっかけを失ったことで、自宅に引きこもるようになってしまう。感染症の始まりから15年後、2人は就職の季節を迎え――。

せお・まいこ●1974年大阪府生まれ。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、単行本『卵の緒』でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を、09年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を、19年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞受賞。ほか『強運の持ち主』『夜明けのすべて』など著書多数。

瀬尾まいこ文藝春秋 1870円(税込) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

私たちが複数形でこそ思い描ける社会 小学3年生の冴と心晴は、彼女たち…

2023/9/6

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青春時代を自粛生活で過ごした若者が伝える「人と関わることの意味」。感染症の流行が人々に与えたもの、奪ったものとは何か?

『私たちの世代は』(瀬尾まいこ/文藝春秋)

 泥がついた心を、まっさらに洗い流してくれる――。作家・瀬尾まいこ氏の作品には、そんな温かさがある。本屋大賞を受賞し、映画化もされた『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)も、そうだ。血の繋がらない親に育てられた主人公の姿を通して、瀬尾氏は結んでは解け、また結ばれる人の縁の尊さを多くの人に伝え、希望を与えた。

 新刊『私たちの世代は』(文藝春秋)も、人と人は色々なところで繋がっていることを痛感させられる一冊だ。本作に描かれているのは、未曾有の感染症が流行したことで生活が一変する中、様々な問題を乗り越え、大人になっていった少女2人の姿。

 コロナ禍の日本を思わせる舞台設定となっているため、不自由な中でも繋がり、支え合う人の絆に、自分と親しい人の交流を重ね合わせて涙する人も多いだろう。

■感染症の影響に振り回された少女たちの人生が交差して…  感染症の流行によって、小学3年生だった冴の生活は一変。学校では分散登校が行われ、おしゃべりは禁止。騒いでいた頃が懐かしく思えた。

 そんな中、母親がお節介を焼いたことから、両親…

2023/8/3

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私たちの世代は / 感想・レビュー

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starbro

瀬尾 まいこは、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、アフターコロナ近未来青春群像劇の佳作でした。 個人情報を盾にクラスの名簿さえ作らない学校や教師は、個人情報を悪用した陰湿な苛めを黙認し放置するのでしょうか❓ https://books.bunshun.jp/articles/-/8129

2023/08/06

さてさて

『今までになかった感染症が流行り出した』という先に主人公二人の十五年の青春が描かれたこの作品。そこには『がらりと変わった日常』に戸惑いつつも、新しい日常の中で悩み苦しみながらも一日一日を大切に生きていく二人の姿が描かれていました。いつもの”瀬尾まいこワールド”な物語とは一味違う新鮮さに満ち溢れたこの作品。小学生視点で描かれるコロナ禍の丁寧な描写の中に、私たちがこの先大切にすべきことを教えてもくれるこの作品。コロナ禍を真正面から見据えて描かれた物語の中に、さまざまな気づきを与えてくれる素晴らしい作品でした。

2023/07/29

ムーミン

瀬尾さんならではの爽やかな読後感。コロナ禍の中、学校生活を送る子どもたちの心の内にずいぶん気を配っていたつもりでした。が、そんな中でも一人一人の中では、いろんなことが起こっていたんだろうなと、改めて振り返りました。苦しい中で生きていた子にとっても、今の自分があるのは、これまでのすべてのことの延長線上にあるんだと、納得できる日がくる事を願っています。

2023/10/17

うっちー

コロナ禍もそうですが、東日本大震災等大きな災いも経験しましたが、とにかく前向きにとらえるしかないと痛感させられました

2023/08/08

hirokun

★4 本の題名にあるように、学生時代にコロナ禍を経験した世代が、何らかの特質とともに、○○世代と呼ばれることになるのだろう。一番の特徴として、直接的なコミュニケーションが困難だった世代においても、やはり、本来的に各成長段階において経験する課題にさらされてきた事は間違いない。この作品にあるように、様々な課題を前向きに捉えていく瀬尾さんの作風は、私にとっての読後感を非常に清々しいものにしてくれる。

2023/08/17

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