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夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)

夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)

夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)

作家
瀬尾まいこ
出版社
文藝春秋
発売日
2023-09-05
ISBN
9784167920920
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夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5) / 感想・レビュー

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エドワード

従業員6名の栗田金属に勤める若手社員、藤沢美紗はPMS(月経前症候群)で月に一度感情が暴走する。山添はパニック障害で突然苦しみ出す。ある日美紗は山添の飲む炭酸飲料の音に心が爆発する。二人が何故心の病を患ったのか、辛い心理描写の後に、二人の毒舌合戦が始まる。陰鬱だけどどこか明るくぬけている、何とも不思議な小説だ。家から出られない山添のために、散髪道具を持って押しかける美紗、虫垂炎になった美紗の病院へあの手この手で到達する山添。二人を見守る温かい社員たち。うっとうしいヤツが恋人になるって、恋愛小説の王道だよ。

2023/10/08

おしゃべりメガネ

映像化によりハードカバーで読んで以来、3年ぶりの再読です。実写化に関してとやかく言うアレはありませんが、個人的には主人公「藤沢」さんは上白石さんではちょっとイメージが違ってたかなと。それでもパニック障害で悩み苦しむ同僚「山添」君との不思議なやりとりには、読んでいてココロがほっこりします。PMSとパニック障害をダブルで綴り、こんなステキな作品に仕上げてしまうのですから、やっぱり瀬尾さんはスゴすぎますね。一緒に働く職場の皆さんの温かい理解があってこその話なのかなと。人と人との距離感って、本当に大切ですよね。

2024/02/25

Kazuko Ohta

タイムリーすぎて笑ってしまいました。というのも、半分ほど読んだ後たまたま『ボヘミアン・ラプソディ』のScreenX版を観に行ったのです。私が劇場で観るのは31回目の『ボラプ』。で、帰宅して続きを読んでいたら、なんとなんと、観に行ってるよ美紗ちゃんが。こんな偶然がありましょうか。余計なお世話かもしれないけれど、『ボラプ』未見の方は観てから読んでと言いたくなる。そしてやっぱり優しく温かい瀬尾さん。手段はひとつじゃないと少し考えればわかりそうなものなのに、焦るとわからなくなるものだなぁ。明日の自分に聞かせたい。

2024/02/09

ふう

病院へ行くほどの症状ではないけど、悩みや不安で心をコントロールすることが難しくなる人は多いかもしれません。それ以上につらい症状を抱え、日常生活を送ることさえ困難な若い男女の物語。娘が貸してくれました。とくにパニック障害の男性はとても苦しい生活を強いられますが、二人の行動や会話がさっぱりしていて明るく、思わずクスッとする場面もたくさんありました。二人を支える職場の仲間も思いやりにあふれ、経験を積むというのはこんなに素敵なことなのだと、大人の役割を改めて思い知らされました。温かい気持ちになれる作品です。

2024/01/15

相田うえお

★★★★☆23066【夜明けのすべて (瀬尾 まいこさん)】瀬尾さんは好感持てる作品が多いんで、当方のお気に入り作家です。本作品、若干重めテーマでしたが読み進めるにつれて、いつの間にか引き付けられて『あははっ』と笑ってしまったりと。作品内の女性社員がが男性同僚の頭髪をカットするシーンがあったんですけど、やはり超ド素人の散髪は人前に出れなくなる可能性大ですね(笑)クイーンの『ドント・ストップ・ミー・ナウ』カタカナ英語で歌うと『ババァグッターイ、ババァーグッターイ』かぁ〜あははは。そういう歌い方の人いるいる!

2023/10/19

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