ギッちょん (文春文庫 や 66-1)
ギッちょん (文春文庫 や 66-1) / 感想・レビュー
ユカ
夢とわかって夢をみているような感覚でした。解説で小川洋子さんが「魂だけになってしまった人々のようだ」と記しており、その表現が一番しっくりくるなと思いました。特別ではない、よくいる人の一生や、知り合いが大きな津波にのまれた人のこと。直接的にはまったく書かれない感情を行間から読もうとしたり、その人に何が起こっているのかを想像したり、いろいろ考えさせられる。純文学的な読み物は苦手だったけど、山下さんの作品はぐいぐい引き込まれ、ラストまで集中できた(途中で離れるとわけがわからなくなるというのもあるけれど)。
2017/05/13
YO)))
収録作の何れもノスタルジーと殺伐との混淆の中に「わたし」が解体していくようなドラッギーさがあってヤバかったが、 一方で人物の台詞にどん語(※岡田彰布監督の口調)ぽさもあり 『声みたいなもんは、あれや、空気のあれや』 とか完全にそうよと思った。
2018/05/12
百太
マイッタな~。
2019/03/20
ぽち
単行本の「ギッちょん」と「コルバトントリ」を合本、4作の中編を収める。素晴らしい。山下澄人と言えば渡部直己さんが提唱したところの「移人称」と言われる、まず言えば実験的な作風が批評の対象になる作家であり、または保坂さんの言によればdon't think,feel!で、世間の評判と言えば「しんせかい」は素人の書いたような小説でこれが芥川賞受賞作か・・・というようなものらしいが、まず本書の3番目に収められている「トゥンプクトゥ」ではその人称、視点が目まぐるしく変わり続けるアブストラクトな言語「センス」が最高潮に
2018/01/06
Toshi
「鳥の会議」を読んでいるので驚かなかったが、同様に、ワープする時間軸、視点の度重なる切り替え、現実と夢の中を行き来するような浮遊感、独特ではまってしまう。1番好きな作家は?って今聞かれたら、山下澄人って答えそう。
2019/03/07
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