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天人唐草 自選作品集 (文春文庫 や 70-1)

天人唐草 自選作品集 (文春文庫 や 70-1)

天人唐草 自選作品集 (文春文庫 や 70-1)

作家
山岸凉子
出版社
文藝春秋
発売日
2018-09-04
ISBN
9784167911492
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「天人唐草 自選作品集 (文春文庫 や 70-1)」のおすすめレビュー

親の教育が子どもの人生を狂わせる……発表は1979年! 時代を先どりした山岸凉子の毒親漫画『天人唐草』

『天人唐草』(山岸凉子/文藝春秋)

 50年以上前から現在にいたるまで変わらず絶大な人気を博し、衝撃作を数多く発表している漫画家・山岸凉子。彼女の作品のジャンルは多岐に及ぶ。背筋の凍るホラー、歴史上の人物の解釈を根底からくつがえす歴史もの、厳しい世界で生き抜くバレリーナもの……。物語性に富み、一度はまれば抜け出せなくなる魅力のある漫画家だ。

 そんな山岸氏は、毒親という概念がなかったころから機能不全家庭を描写していた。親が子どもを病気にさせる代理ミュンヒハウゼン症候群をほうふつとさせる『コスモス』、娘を束縛したあげく、自立しようとする娘を殺す母親を描いた『メディア』……数えればきりがないが、親の教育によって子どもの人生は大きく揺らぐことを著者はよく知っていた。

 極めつきはこのたび紹介する短編漫画『天人唐草』(てんにんからくさ)である。発表は1979年。当時、少女漫画の主人公は10代から20代前半という暗黙の了解があったが、著者は30歳の「岡村響子」を主人公にしており、本作を読んだ少女漫画家たちは驚きの声をあげたという。

 この漫画の独自性はもちろん主…

2022/9/29

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天人唐草 自選作品集 (文春文庫 や 70-1) / 感想・レビュー

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阿部義彦

これは過去に文春が漫画を文庫にした頃(文春文庫ビジュアル版)として刊行してたのを化粧直しして、新たに山岸凉子さんのインタビューを加えてあります。自選短編集なのが味噌です。このシリーズ本棚漁ってたら、初代のビジュアル版で同じ著者の自選短編集の「シュリンクス・パーン」BOOK・OFFで買ったの持ってました。(1997年第1刷)この機会に全部復刻してくれないかなあ? 中島らもさんの解説が秀逸ですね。萩尾さん、竹宮さん、大島さんはリアルタイムで読んでたけど山岸凉子さんは割と後追いで読んだんでした。線が細くて独特。

2018/09/27

苺畑序音

やばい。魅入られそうになる。らもさんの解説で引き戻してもらえました。

2018/09/13

空猫

お気に入りさんのレビューで懐かしさのあまり買っちまったぜぃ!「岡村響子、30歳。きえーーーーーーっ!」の帯にやられちまったぜぃ!昭和50年代頃の作品なので時代を感じるけれどそれでもなお、やはり逸品のホラー。中島らもさんと門田恭子さんの解説も必読。

2018/10/01

たまきら

家長らパワハラで抑圧され歪む人間を描かせたら、この人より怖い話が書ける人って少ないと思う。天人唐草をはじめ、彼女のお話は(こんな母親になってしまったらどうしよう)という毒親・人間でいっぱい。だから時々登場するまっすぐな人が清々しいんですけどね~。

2019/05/31

はやしま

もう40年近くにもなるのに「天人唐草」を初めて読んだ時覚えた恐ろしさは忘れられない。その「ぎえーーーーっ」をまた読みたくて、怖いもの見たさの誘惑から購入。24年前に出版されたものの新装版だけど、全く古びることのない作品の質の高さはさすが。中島らも氏による解説がまた秀逸。山岸先生が原爆(戦争)を扱った作品を描いておられたことは知らなかった。

2018/09/23

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