播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記 (文春文庫 う 35-2)
播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記 (文春文庫 う 35-2) / 感想・レビュー
sin
物語で馴染みのある陰陽師が活躍した時代から離れて戦国と呼ばれた時代との狭間に地方で求められた「法師陰陽師」と呼ばれた者のハナシ…物の怪が見える僧と薬師の才を持つ兄の二人の蘆屋道満末裔の陰陽師が怪異と対峙する…といっても自然と共存するかのように生きる二人にはなかなか典雅な印象が強くおどろおどろしさはない。陰陽師と云えばあの安倍晴明が思い浮かぶがその敵役のような形で描かれる蘆屋道満も有名な存在だ。その子孫たちと云うのならばこの先道満が封じた式神を通じてその当時の真実の物語に至るのかもしれず興味は尽きない。
2024/03/05
藤月はな(灯れ松明の火)
時は室町時代。播磨にて妖が見える呂秀と、妖は見えないが医術と妖を祓う力を持つ律秀は縁あって主を求める鬼の式神、あかつ鬼と主従を結ぶ事になる。陰陽師ものですが、この兄弟の場合、妖に対して有無を言わせずに調伏を施すのではなく、対話を以て落としどころを見つけている。そんな二人に蘆屋道満と共にあれなかった事をたった一つの悔いとし、必要に応じて悪役になるあかつ鬼が主従を結びたいと思ったのは道理だったのだろう。「八島の亡霊」の野暮に反しての後世の評価の無念さが印象的。そして怖がりな有傳氏の受難は何時、終わるのか(笑)
2024/01/14
優希
面白かったです。自然豊かな中での陰陽の世界。様々な怪異に迫る風景が美しいと思いました。
2024/02/15
Y.yamabuki
室町時代の播磨国、法師陰陽師の兄弟が活躍する短編集。薬師の兄律秀と物の怪の姿が見える弟呂秀、お互いの得意分野で協力し合う姿が良い。この二人は人にも、人にあらざるものにも優しい。落ち着いて読める作品。
2024/03/09
梵
法師陰陽師の兄弟が主人公。といっても、呪文で物の怪を祓うようなことはせず、お悩み相談所のように話を聞いて要望叶えてあげるといった穏やかなストーリー
2024/03/27
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