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戦争と平和2 (光文社古典新訳文庫)

戦争と平和2 (光文社古典新訳文庫)

戦争と平和2 (光文社古典新訳文庫)

作家
トルストイ
望月哲男
出版社
光文社
発売日
2020-05-13
ISBN
9784334754259
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戦争と平和2 (光文社古典新訳文庫) / 感想・レビュー

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molysk

ナポレオンの巧妙な作戦と、ロシア軍とオーストリア軍の稚拙な連携で、アウステルリッツの戦いは連合軍の大敗に終わった。アンドレイは傷つき捕らわれるも、出産をひかえた妻のもとにたどり着くが――。ピエールは財産と美貌の妻を得るも、心を満たされることなく、人生の意味を模索する。他人のために生きて、自らと家族を軽んじてきた己を責めるアンドレイ。自分のみではなく、人々の幸福のためにできることを探し始めたピエール。試練を迎えた二人は出会い、邂逅する。同じころ、ロシアはフランスと講和して、欧州はひと時の平穏を得る。

2021/10/24

ずっきん

うーん、マジで面白い。夜会でキラキラウフウフしていた若造どもが、黒歴史をこしらえながらそれぞれの場所と時代を生きていく。それは、雨をたっぷりと含んだ曇天に常に覆われているような、鬱屈さ熾烈さ満載で、さらに若気の至りといういうか、それゆえの愚かさというか。だからこそ、アンドレイの青い空のエピソードが際立つ。思い出して幾度も空を見上げてしまうほど。ああ、こやつらはどうなっていくんだろう。こんなにもゆっくりと味わっていきたいと思う作品はいつ以来だろう。大作ゆえのネタバレを喰らわないよう細心の注意を払いつつ次巻へ

2024/03/27

kazi

いや~、流石に読ませますね。アウステルリッツ会戦で見上げた無窮の青空と帰郷後に待ち受けていた妻の病死。アンドレイの人生観に大きな変化が訪れる。決闘事件やフリーメイソンとの出会いなど、ピエールもまた人生観を変える出来事を経験していく。心に深い傷を負い隠遁者のような生活を送るアンドレイをピエールが訪問する下りは、この作品の中で最も好きなシーンの一つです。未熟ながら純粋なピエールの熱意が厭世的になったアンドレイの内面に光を灯すこのシーン。友情っていいよね~。

2020/12/21

たかしくん。

1巻で紹介された数々のキャラクターがそれぞれに動き出す。美人なエレーヌの不倫に悩まされるピエールに始まり、身重のリーザ夫人の不機嫌が気にかかる出征前のアンドレイ。舞台は次第に戦場へと移り、最初の山場、アウステルリッツの戦いへ。ここから、ニコライとデニーソフが活躍しますが、rが発音できないデニーの純朴さが好きかなあ(笑)。出産後に亡くなってしまうリーザとそれに付添うアンドレイには同情します。この巻の後半は、フリーメーソンに入れ込み始めるピエールが台頭し、かれとアンドレイの繋がりで物語が進みます。

2020/11/23

きゃれら

こんなに夢中で本を読んでいるのは、ちょっと記憶がないくらい久しぶり。しょっぱいお菓子(戦争)とちょっと甘いお菓子(平和)の組み合わせがやめられない。(by3月のライオン)1巻の感想で、戦争の様子を牧歌的、と書いたけれど、それは戦闘そのものだけで、周辺の現実は今の戦争より過酷で悲惨。病院に送られれば必ず死ぬ、とさらっと書かれていたりして。何が起きても精神構造が変わらない人々と成長していく主人公たちの対比が鮮明で、その先を知りたくてページをめくる手が止まらない。

2021/09/24

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